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Channel: ゴエモンのつぶやき
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家電解体、希少金属販売で障害者の賃金アップ

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 県内の障害者施設で、不要になったパソコンなどを解体して回収した貴金属やレアメタル(希少金属)を販売し、障害者の工賃アップにつなげる取り組みが広がっている。1月には施設同士で連携して規模拡大のメリットを追求する「県基板ネットワーク」が発足し、事業の安定化を目指している。(米川丈士)

 知的障害者が通う新潟市西区の「のんぴーりAXIS(アクシス)」。6人ほどの通所者が解体しているのは、市を経由して回収したり、企業や個人から寄せられたりしたパソコンや小型家電などだ。

 手袋と眼鏡で防護し、貴金属やレアメタルが含まれる基板のほか、プラスチックや鉄などに分別する。パソコンのハードディスクには傷を付けてデータを破壊するなど、情報管理にも細心の注意を払う。

 業者の基板買い取り価格は1キロ800〜1000円。同施設では毎月200〜300キロの基板が出る。一般企業ではコストと時間がかかって採算が取れないが、障害者施設としては大きな収入だ。

 同施設では、1年半前に基板解体作業を始めてから1人当たり月約2万円だった工賃が、月約3万円に増えた。作業のリーダー役を務める市村駿さん(19)は「基板解体の仕事は楽しい」と笑顔を見せる。

 同施設が中心となって県内の障害者施設に解体作業を呼びかけ、今年1月には県基板ネットワークが発足。現在、10市の20施設が加盟する。1か所で解体できる量には限界があり、少量では非鉄金属の大手業者が買い取ってくれないケースが多い。しかし、ネットワーク化することでまとまった量の基板を直接納入できるようになった。

 業者としても毎月約1トンもの基板が安定的に入ってくるメリットは大きい。ネットワークの発足に合わせ、業者側は月1回、加盟施設にトラックを走らせて基板を回収するようになり、施設側は運送費が不要になった。規模拡大による効果が表れた格好だ。

 不要家電を巡っては、解体が面倒なため海外に輸出され、それとともにレアメタルも海外流出している問題が指摘されている。ネットワークの事務局を務める同施設の寺口能弘さん(37)は「障害者の労働力でごみが資源に変わり、レアメタルの流出、不法埋め立てなども防げる。この事業は国益につながる」と意義を強調する。

 同ネットワークは、不要になったパソコンや小型家電の提供を呼びかけている。詳細は、のんぴーりAXIS(025・264・1100)へ。

(2013年4月30日 読売新聞)

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