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Channel: ゴエモンのつぶやき
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地区の環境や景観守る 障害者10入所施設が遊休農地を活用

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 和歌山県田辺市木守(大塔地域)の知的障害者入所施設「あすなろ木守の郷」が、地区内の環境や景観を守ろうと遊休農地の活用に取り組んでいる。収穫する農産物は自家消費用で利益にはつながらないが、土地所有者も「農地として維持してもらえる」と喜び、無償で提供している。施設は「農作業を通じ、利用者と住民の交流になる」と話している。


 木守地区は、施設の利用者を除くと、15世帯32人はほとんどが70、80代。民家周りや道路沿いでも荒れた農地が目立つ。

 施設は約10年前から、土地所有者の了解を得て草刈りし、耕作している。施設とケアホームの利用者約70人のうち、野外活動するメンバーと職員で農作業を担当。イモ類やタマネギ、タカナなどを栽培している。

 米栽培も2年前に開始。今年は、前年の2倍の20アールで作る。このほか遊休地でシイタケの原木栽培もしている。

 施設裏には1月、1・5ヘクタールの牧場を整備。周囲に柵を設置し、ペットとして飼っていたウシ2頭とヒツジ2頭を放している。ウシは大量の雑草を食べるため、牧場内の草刈りの手間が省ける。他の場所で除草した草も餌に使っている。

 除草や野菜栽培に精を出す利用者と職員たちに、住民は信頼の目を向けている。土地を提供している一人の前田馥(ふくみ)さん(82)は「『どうぞ』と使ってもらっているが、雑草がなくなり、有効利用されているのはありがたい」と話す。

 農地は数年放置すると耕作しづらくなる。住民の中には、子どもが定年などで帰郷するまでの間、耕作を望む声もあるという。あすなろ木守の郷の長野史朗施設長は「段々畑の姿が現れ、荒れ地が少なかったころの景観に戻ってきたとの声をもらう。住民と利用者の交流の面でも、顔を合わせたり声を掛けたり日常的なやりとりが増えている」と話している。


【住民の遊休農地を活用して整備した牧場(和歌山県田辺市木守で)】

紀伊民報-(2013年05月04日更新)

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