2012年度に県内のハローワークを通じて就職した知的障害者は延べ136人で、記録の残る過去10年間で最多だったことが福井労働局の調べで分かった。就職を諦めていた人に働くチャンスが広がったため、求職者も最多を記録。同局は、雇用の受け皿となる「就労継続支援A型事業所」が充実したことが背景にあると分析している。(村上和史)
発表によると、新規就職者の全体数は延べ680人(前年度比12・8%増)と3年連続で過去最多を更新した。内訳を見ると精神障害者が269人(同29・3%増)と初めて最多になり、以下、身体障害者252人(9・0%減)、知的障害者136人(51・1%増)、発達障害を含む「その他障害者」23人(17・9%減)と続く。
全体の就職率は58・7%と、全国平均の42・2%を大きく上回り、富山県、岩手県に次いで全国3位となった。業種ごとの就職先を見ると、「医療・福祉」は240人で、全体の4割近くを占めた。
一方、求職申込者数は延べ1158人(28・5%増)となり、初めて1000人を突破した。知的障害者は過去10年で最多の242人(61・3%増)。同局によると、就職、求職ともに大幅に伸びた背景には、障害者の雇用義務を課す企業を拡大する法改正に加え、A型事業所の開設に対する県独自の支援策があるという。
県は10年度から、A型事業所の開設を目指す民間企業やNPOに中小企業診断士や社会福祉士などをアドバイザーとして派遣。運営のコツや障害者へのアドバイスの仕方などを指南している。さらに事業所の開設費に補助金を出したことで、10年度に24件(定員数577人)だった事業所数は、12年度には44件(904人)に増加した。
厚生労働省障害福祉課の担当者は「事業所数が2年間でほぼ倍に増えた例は全国的に珍しい。県と民間の双方が熱心に取り組んだ成果だ」と評価する。
障害者雇用に熱心なNPOの一つで、福井市の「ハートランド福井」は、パン屋と飲食店計5店を経営。計約50人の障害者には職能に応じて約6万〜18万円の月給を支払っている。NPO代表の福田歳博さん(51)は「一般の従業員を指導する優秀な障害者もいる。障害年金も合わせると十分に自立できる」と話す。
ただ、給料が県の最低賃金を下回ることもあり、県障害福祉課の担当者は「今後は各事業所が仕事量を増やせるように支援し、一人ひとりの所得を上げるのが目標」と力を込める。
(2013年6月5日 読売新聞)
発表によると、新規就職者の全体数は延べ680人(前年度比12・8%増)と3年連続で過去最多を更新した。内訳を見ると精神障害者が269人(同29・3%増)と初めて最多になり、以下、身体障害者252人(9・0%減)、知的障害者136人(51・1%増)、発達障害を含む「その他障害者」23人(17・9%減)と続く。
全体の就職率は58・7%と、全国平均の42・2%を大きく上回り、富山県、岩手県に次いで全国3位となった。業種ごとの就職先を見ると、「医療・福祉」は240人で、全体の4割近くを占めた。
一方、求職申込者数は延べ1158人(28・5%増)となり、初めて1000人を突破した。知的障害者は過去10年で最多の242人(61・3%増)。同局によると、就職、求職ともに大幅に伸びた背景には、障害者の雇用義務を課す企業を拡大する法改正に加え、A型事業所の開設に対する県独自の支援策があるという。
県は10年度から、A型事業所の開設を目指す民間企業やNPOに中小企業診断士や社会福祉士などをアドバイザーとして派遣。運営のコツや障害者へのアドバイスの仕方などを指南している。さらに事業所の開設費に補助金を出したことで、10年度に24件(定員数577人)だった事業所数は、12年度には44件(904人)に増加した。
厚生労働省障害福祉課の担当者は「事業所数が2年間でほぼ倍に増えた例は全国的に珍しい。県と民間の双方が熱心に取り組んだ成果だ」と評価する。
障害者雇用に熱心なNPOの一つで、福井市の「ハートランド福井」は、パン屋と飲食店計5店を経営。計約50人の障害者には職能に応じて約6万〜18万円の月給を支払っている。NPO代表の福田歳博さん(51)は「一般の従業員を指導する優秀な障害者もいる。障害年金も合わせると十分に自立できる」と話す。
ただ、給料が県の最低賃金を下回ることもあり、県障害福祉課の担当者は「今後は各事業所が仕事量を増やせるように支援し、一人ひとりの所得を上げるのが目標」と力を込める。
(2013年6月5日 読売新聞)