ケーキや焼き菓子を製造、販売している知的障害者の就労支援施設「すずらんの家」(相模原市南区新磯野)で12日、洋菓子店「アステリスク」(東京都渋谷区上原)オーナーシェフの和泉光一さん(42)が菓子作りを指導した。“和泉流焼き菓子”は、イラストレーターのふじわらてるえさんがデザインしたオリジナルパッケージで、近く販売される。
すずらんの家では、知的障害のある19歳から40代の男女16人が、約20種類の焼き菓子やケーキ作りに携わる。店頭で売るほか、障害者自らが近くの老人福祉施設などに出張したり、注文販売をしている。販売で得られた利益が16人の賃金になっている。
授産施設で働く障害者の収入は低く、2010年度の全国平均は月額1万3079円。すずらんの家も、11年の1人当たりの平均月収は1万5500円だった。昨年は出張や注文販売が増えたこともあり1万8000円にアップしたが、自立して生活するにはかなり厳しく、労働の正当な対価を得られていないのが現状だ。
このため施設長の池田宏子さんは、有名パティシエや絵本作家らの協力により障害者施設の商品の価値を向上させる支援をしている会社「テミル」(東京都港区芝、船谷博生(ふなやひろお)社長)に協力を依頼。和泉さんが指導を担当することになった。
和泉さんはかつて、スイーツの名店「サロン・ド・テ・スリジェ」(東京都調布市)のシェフパティシエを務め、日本代表としてフランスでの大会に出場した経験もある、パティスリー界を担う一人。昨年5月、東京都渋谷区の小田急線代々木上原駅近くに、フランス語で「小さい星」を意味する「アステリスク」を開いた。
和泉さんは今年3月から、すずらんの家での菓子づくりの課題を分析。4月にマカロン、5月はプリンを教えた。12日は焼きドーナツ作りで、種類に応じた素材の分量、作り方の手順、温度管理などを細かく説明しながら指導した。
和泉さんは「菓子作りを通じて、いろいろな方と触れあい、自分の力を生かせる場所で協力し、結果として社会貢献につながればうれしい」と話していた。問い合わせはすずらんの家(042・747・2418)。
毎日新聞 2013年06月16日 地方版
すずらんの家では、知的障害のある19歳から40代の男女16人が、約20種類の焼き菓子やケーキ作りに携わる。店頭で売るほか、障害者自らが近くの老人福祉施設などに出張したり、注文販売をしている。販売で得られた利益が16人の賃金になっている。
授産施設で働く障害者の収入は低く、2010年度の全国平均は月額1万3079円。すずらんの家も、11年の1人当たりの平均月収は1万5500円だった。昨年は出張や注文販売が増えたこともあり1万8000円にアップしたが、自立して生活するにはかなり厳しく、労働の正当な対価を得られていないのが現状だ。
このため施設長の池田宏子さんは、有名パティシエや絵本作家らの協力により障害者施設の商品の価値を向上させる支援をしている会社「テミル」(東京都港区芝、船谷博生(ふなやひろお)社長)に協力を依頼。和泉さんが指導を担当することになった。
和泉さんはかつて、スイーツの名店「サロン・ド・テ・スリジェ」(東京都調布市)のシェフパティシエを務め、日本代表としてフランスでの大会に出場した経験もある、パティスリー界を担う一人。昨年5月、東京都渋谷区の小田急線代々木上原駅近くに、フランス語で「小さい星」を意味する「アステリスク」を開いた。
和泉さんは今年3月から、すずらんの家での菓子づくりの課題を分析。4月にマカロン、5月はプリンを教えた。12日は焼きドーナツ作りで、種類に応じた素材の分量、作り方の手順、温度管理などを細かく説明しながら指導した。
和泉さんは「菓子作りを通じて、いろいろな方と触れあい、自分の力を生かせる場所で協力し、結果として社会貢献につながればうれしい」と話していた。問い合わせはすずらんの家(042・747・2418)。
毎日新聞 2013年06月16日 地方版