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Channel: ゴエモンのつぶやき
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知的障害者施設、選挙候補者招き「聞く会」 都内

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 東京都内の知的障害者施設が、国政選挙や地方選の立候補者を招き、入所者が訴えを聞く会を継続して開いている。取り組みが周辺施設にも広がり始める中、成年後見人が付いた人の選挙権が参院選から認められた。施設は、参院選候補者の話を聞く会も計画。障害者の選択を手助けするとともに、「候補者が障害者を知る機会になる」と各陣営に協力を求めている。

 候補者から「お話を聞く会」を開いているのは東京都国立市の知的障害者施設「滝乃川学園」。選挙公報や街頭で情報を得ることが難しい入所者らのため、1981年から国政、地方選を問わず続けてきた。

 6月の都議選では、国立市を含む北多摩第二区から出馬した全4陣営の候補者本人や担当者を招いて開催。「すごいお金をかけて道路をつくるのでなく、みなさんの住む家(施設)をつくる」「2期目の挑戦。続けて仕事をするのは大事」などと順番に5分ずつ訴えると、約30人が耳を傾けた。

 各陣営は選挙公報の写真を示し顔を覚えてもらおうとし、笑顔で一人ひとりと握手した。候補者の代理で参加した市議は「分かりやすい表現を心掛けた。会は障害者の選挙権行使を保障する上で意義がある」と話した。

 同学園の米川覚常務理事は「候補の主張を詳しく理解するのは難しいかもしれないが、直接接することで何か感じることがあるはず」と強調。さらに「候補にとっても障害者への理解を促す一助になる」と指摘する。

 11日に参院選東京選挙区の候補者、17日に比例代表で候補を擁立した政党の関係者らを招いた会を開く予定で、各陣営に参加を呼びかけている。

 東京都小平市の障害者団体は4月の市長選と6月の都議選で告示前に開催した。障害者から候補に「どうしたらいじめられないか」「働く場所がないか」などの質問が出たという。同市の障害者支援施設「澄水園」も「将来開きたい」と滝乃川学園の会を見学した。

 滝乃川学園は国立市選挙管理委員会と協議し、独自の方法の代理投票も続けている。文字が書けない人の場合、選挙公報を2度見せて同じ候補を指せば、職員がその名を代筆する。1度目と2度目で違う候補を指せば白票を入れる。

 知的障害者の親らでつくる「全日本手をつなぐ育成会」(東京・港)の2009年の調査では、知的障害者のうち53%が「選挙に行っている」と回答。成年被後見人に選挙権を付与する5月の公職選挙法改正に続き、6月には公共機関や民間企業に障害者への「合理的配慮」を求める障害者差別解消法も成立した。

 育成会の細川瑞子・中央相談室長は「一連の法改正が、障害者の投票にどんな支援が必要かを社会全体で考えるきっかけになってほしい」と話している。

日本経済新聞-2013/7/8 12:29

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