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Channel: ゴエモンのつぶやき
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選択:13年・参院&知事ダブル選 伝えたい/下 障害者就労支援 竹中ナミさん /兵庫

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 ◇既成の福祉観脱却を 能力引き出す社会に

 「私から見たら、日本の政党はどこも同じで障害者を弱者とする一つの政党だ。既成の福祉観の中でしか政策を考えようとしない」。障害者の就労を支援する社会福祉法人「プロップ・ステーション」(神戸市東灘区)の竹中ナミ理事長(愛称ナミねぇ)は、日本の政治をこう厳しく評価する。障害者を「挑戦する機会を与えられた人」(チャレンジド)ととらえ、彼らが自立して各分野で活躍できるように社会システムを変えようと訴え続けるが、「日本はまだまだ、障害者をかわいそうで保護してあげないといけない存在という見方が強い」と嘆く。

 91年に「プロップ」を設立した際、ナミねぇは「チャレンジドが納税者になれる日本」を提唱した。納税者と主権者はイコールで、障害者が税金を当たり前に払えて、主権者となって意見を言う社会の実現を目指す。「社会の中で自分の役割があって初めて誇りが持てるが、今までの福祉から見ると、障害者の誇りは無視されてきた」と振り返る。

 「プロップ」では障害者にITを教え、一流パティシエからプロのお菓子作りの技を学ぶ「スウィーツ・コンソーシアム」を開く。多様な働き方を用意すれば障害者はもっと能力が発揮できるという信念からだ。それには、個々の能力を伸ばす教育の仕組み作りも必要だ。しかし、「障害者=福祉の対象」という日本の状況の中では、一人一人のできることには光が当たらないし、教育の仕組みも生まれてこない。

 米国ではブッシュ政権時代に「すべての大学に10%のチャレンジドを」という方針を打ち出した。大学は障害者を受け入れ、必要な勉強と資格が取れるチャンスを提供することを国家の柱にした。ところが、日本の場合は、一部の大学が特別に門戸を開いているだけ。社会全体として、大学に行けなかったらハンディを背負うことになるという議論にならない。「これが『与える福祉』と『能力を引き出す福祉』の大きな違い」と、ナミねぇは指摘する。

 「人のできないことばかりを数えている国は国力が上がるわけがない。根っこから変えて弱者をなくし、障害の有無にかかわらず、多くの人が自分の力を生かせる社会にしないと、もう日本はもたない」と強調する。
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毎日新聞 2013年07月18日 地方版

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