和歌山県串本町西向の町役場古座分庁舎で17日、発達障害のある子どもたちへの理解と支援を求める講演会があった。和歌山大学教育学部の小野次朗教授(59)が褒めることの重要性などについて話し、発達障害の子どもを持つ親や教員、子育て支援者ら約80人が聞いた。
県教育委員会が主催する本年度の県家庭教育交流会として開かれた。
小野教授は、発達障害の中で知的障害を伴わない「学習障害(LD)」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」、高機能自閉症やアスペルガー症候群を指す「高機能広汎性発達障害(HFPDD)」について説明した。
LDは全般的な知識発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するという能力のうち、特定のものの習得と使用が大変困難である状態。ADHDは学業や仕事において細かく注意することができない不注意優勢型、一所にじっとできない多動性衝動性優勢型があり、HFPDDは人の気持ちや場の空気が読めないなどの特徴があるという。障害は重複することもある。
これらは2005年に施行された発達障害者支援法で、精神障害者保健福祉手帳の交付が受けられ、就労などに役立てることができると紹介した。
文部科学省が12年に発表した小中学生を対象に実施した調査では、発達障害の子どもは通常学級に在籍する中で約6・5%に上ることが分かったと説明。「40人学級だと2、3人はいる計算になる」と身近な障害であることを強調した。
発達障害の子どもには「何で自分だけできないんだ」といった自尊感情の低さや反抗心が生まれる2次障害が認められ、これらのことが重なり、不登校になってしまう子も多いと説明。「子どものわがままや気ままではない、脳の機能異常が原因と考えられており、叱られることが多く褒められることが極端に少ない。いかに褒めるか、無駄な叱責(しっせき)をどれだけ減らせるかが重要」と述べた。
親や教員などの指導者も怒りをコントロールすることが大切とし「子どもは褒めることで育つ。特に発達障害のある子どもは自尊感情を高めるために褒めることが大切」と話した。
最後に「教員や支援者は子どもの人生を守る」と語り、「独特の発想を教員や支援者が柔軟に受け取り、才能を見つけてみんなに披露して居場所をつくってほしい」と述べた。
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【発達障害の子どもへの理解や支援について話す和歌山大学の小野次朗教授(和歌山県串本町西向で)】
紀伊民報-(2013年08月19日更新)
県教育委員会が主催する本年度の県家庭教育交流会として開かれた。
小野教授は、発達障害の中で知的障害を伴わない「学習障害(LD)」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」、高機能自閉症やアスペルガー症候群を指す「高機能広汎性発達障害(HFPDD)」について説明した。
LDは全般的な知識発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するという能力のうち、特定のものの習得と使用が大変困難である状態。ADHDは学業や仕事において細かく注意することができない不注意優勢型、一所にじっとできない多動性衝動性優勢型があり、HFPDDは人の気持ちや場の空気が読めないなどの特徴があるという。障害は重複することもある。
これらは2005年に施行された発達障害者支援法で、精神障害者保健福祉手帳の交付が受けられ、就労などに役立てることができると紹介した。
文部科学省が12年に発表した小中学生を対象に実施した調査では、発達障害の子どもは通常学級に在籍する中で約6・5%に上ることが分かったと説明。「40人学級だと2、3人はいる計算になる」と身近な障害であることを強調した。
発達障害の子どもには「何で自分だけできないんだ」といった自尊感情の低さや反抗心が生まれる2次障害が認められ、これらのことが重なり、不登校になってしまう子も多いと説明。「子どものわがままや気ままではない、脳の機能異常が原因と考えられており、叱られることが多く褒められることが極端に少ない。いかに褒めるか、無駄な叱責(しっせき)をどれだけ減らせるかが重要」と述べた。
親や教員などの指導者も怒りをコントロールすることが大切とし「子どもは褒めることで育つ。特に発達障害のある子どもは自尊感情を高めるために褒めることが大切」と話した。
最後に「教員や支援者は子どもの人生を守る」と語り、「独特の発想を教員や支援者が柔軟に受け取り、才能を見つけてみんなに披露して居場所をつくってほしい」と述べた。
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【発達障害の子どもへの理解や支援について話す和歌山大学の小野次朗教授(和歌山県串本町西向で)】
紀伊民報-(2013年08月19日更新)