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Channel: ゴエモンのつぶやき
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障害者の詩と絵画コラボ作品展「心の叫びに思いはせ」/相模原

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 精神障害者が作った詩に合わせ、絵画の愛好家グループが絵を描いた作品展が8日、相模原市中央区の市民ギャラリーで始まった。心のうちを言葉でつづり、その胸中に思いをはせて絵筆を操った69点。作品作りを通じ、心を通わせた結晶が並んでいる。

 天空へ伸びた巨樹、緑濃い森のなか、子どもたちが手をつなぎ輪になっている。額縁の下に添えられた詩のタイトルは「天望」。

 〈臆病なく/仲間/絆の/福光/勝利劇/平和の都/世に万代/築きましょう〉
 短い詩に絵をつけた岡村郁雄さん(68)=同区=は「『臆病なく』とは自分のことか。続く言葉は希望であろう。前向きに生きよう。大きくなろう。そんなイメージを描いてみた」。詩を受け取り10日間ほど空想を重ねた。詩の作者とは会ったことがない。

 作品展は4回目を数える。市内の作業所を回り、詩の作品を集めた実行委員会メンバーの榛沢昌高さん(43)=同区=は「精神障害者に関心を寄せてほしいのと同時に、障害者が自分の世界を広げるきっかけをつくりたかった」と話す。

 心に病を抱え、外出しても病院か、作業所か。榛沢さんも統合失調症に苦しみ、15年間、家に引きこもっていた過去があった。「孤独で地獄のような日々だった」。当事者として作品展に関わるようになったいま、他者と結び付く大切さを実感する。

 最終日に詩と絵画の作者同士が対面するのが、作品展のハイライトだ。「詩を通してその人と向き合う。『障害者』という色眼鏡が知らず取り払われる」と岡村さん。「どんな気持ちであの詩を作ったのか聞きたい」
 榛沢さんが応じた。「解釈は違っていていい。そこから対話が始まる。そうして人とつながることで生きる力が引き出される」
 「詩と絵画のコラボレーション展」は12日まで。入場無料。問い合わせは、地域支援センターカミング電話042(759)5117。


描いた作品の前で談笑する岡村さん(左)と榛沢さん=相模原市中央区の市民ギャラリー

カナロコ(神奈川新聞)-2012年11月9日

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