高校生作文コンテスト:最優秀賞の井上奈々さん「父みたいに強く」　／愛媛

　１０日に栃木県大田原市で開かれた「第３回『共に生きる社会』めざして　高校生作文コンテスト」（国際医療福祉大、毎日新聞社主催、文部科学省など後援）の表彰式で、最優秀賞に選ばれた新田青雲中等教育学校５年、井上奈々さん（１７）が、受賞した作文「神様からの贈りもの」を朗読。出席者から大きな拍手が送られた。

　井上さんは、足に障害があり、多くの病気と闘っている父親について書いた。父親の歩き方に対する心無い社会の反応に傷ついたこともあった。しかし、井上さんは父親の障害などをプラスに受け止めた。難題ばかりだが、父親を支えようと助け合ってきたため家族のきずなが強いからだ。「父みたいに強く生きていきたい」と井上さん。作文を「障害者に対する偏見を消し去るために、私は生きていきたい」と結んだ。

　井上さんの作文について審査員の一人は「お父さんへの愛情、無理解な人々への怒りが伝わってきた」と評していた。

　受賞後、井上さんは「受賞したと教えられたときは、びっくりしたし、うれしかった。将来は医者になりたい」と話していた。

毎日新聞　2012年11月11日　地方版