全国でも珍しい知的障害を持つ人たちが働く100円ショップ「まぶ家(や)」が、神戸市灘区の灘中央筋商店街(約20店)に開店した。「同一金額で販売する店なら、計算や値段を記憶するのが苦手な人でも働きやすい」と、就労訓練を行うNPO法人が空き店舗を利用。職員らは「障害者が自立する力を身に着ける場にしたい」と期待する。(畑中俊)
運営するのは、知的障害者の就労支援に取り組む同区のNPO法人「マブイ六甲」。2011年、同商店街に障害者約20人が働くクリーニング店を開店。職員は、より多くの障害者が働ける新たな職場を探す中で、品数は多いが、価格が均一なので合計金額の計算が簡単な100円ショップに目を付けた。
今年2月頃から、職員が100円ショップの大手チェーン店を回って、系列店としての契約に奔走した。しかし「ある程度の面積、規模がないと契約できない」「知的障害者による店舗は例がない」などと断られた。夏頃にようやく、埼玉県に本社がある100円商品卸売り店の協力が得られ、11月、開店にこぎ着けた。
クリーニング店の向かいにある約34平方メートルの空き店舗を改装。文房具や生活雑貨など約800種類の商品を並べた。18〜46歳の男女11人が商品の陳列やレジ打ちなどに従事する。
開店から1か月が過ぎ、1日平均で70〜80人が来店、1万数千円を売り上げる。地元住民からは「近くに100円均一の店がなかったので便利になった」と好評で、毎日顔を出す常連客も獲得できた。
一方、店内が狭く、陳列できる商品の種類や数に限りがあるのが気になった点という。気温が下がった先月下旬は、手袋や靴の中敷きなど防寒用品への要望が寄せられ、その度に商品仕入れをした。
接客担当者(21)は「大きな声であいさつして、たくさんのお客さんに来てもらえるような明るいお店にしたい」と張りきっている。
NPO職員で、店長の池田朋子さん(36)は「商店街の人たちとの交流を深め、店での経験を将来の仕事や生活に生かしてもらいたい」と話している。
水曜定休。午前10時半〜午後6時。土日祝日は午前10時開店。問い合わせはまぶ家(078・200・5009)。
(2013年12月7日 読売新聞)
運営するのは、知的障害者の就労支援に取り組む同区のNPO法人「マブイ六甲」。2011年、同商店街に障害者約20人が働くクリーニング店を開店。職員は、より多くの障害者が働ける新たな職場を探す中で、品数は多いが、価格が均一なので合計金額の計算が簡単な100円ショップに目を付けた。
今年2月頃から、職員が100円ショップの大手チェーン店を回って、系列店としての契約に奔走した。しかし「ある程度の面積、規模がないと契約できない」「知的障害者による店舗は例がない」などと断られた。夏頃にようやく、埼玉県に本社がある100円商品卸売り店の協力が得られ、11月、開店にこぎ着けた。
クリーニング店の向かいにある約34平方メートルの空き店舗を改装。文房具や生活雑貨など約800種類の商品を並べた。18〜46歳の男女11人が商品の陳列やレジ打ちなどに従事する。
開店から1か月が過ぎ、1日平均で70〜80人が来店、1万数千円を売り上げる。地元住民からは「近くに100円均一の店がなかったので便利になった」と好評で、毎日顔を出す常連客も獲得できた。
一方、店内が狭く、陳列できる商品の種類や数に限りがあるのが気になった点という。気温が下がった先月下旬は、手袋や靴の中敷きなど防寒用品への要望が寄せられ、その度に商品仕入れをした。
接客担当者(21)は「大きな声であいさつして、たくさんのお客さんに来てもらえるような明るいお店にしたい」と張りきっている。
NPO職員で、店長の池田朋子さん(36)は「商店街の人たちとの交流を深め、店での経験を将来の仕事や生活に生かしてもらいたい」と話している。
水曜定休。午前10時半〜午後6時。土日祝日は午前10時開店。問い合わせはまぶ家(078・200・5009)。
(2013年12月7日 読売新聞)