2020年東京パラリンピックの開催が決定したためか、今年は障害者スポーツを取材する機会が多かった。そこで一つ、引っかかったことがある。
10月13日、味の素スタジアムで開かれた全国障害者スポーツ大会。陸上女子走り幅跳びに佐藤真海選手(31)が登場し、100人超の取材陣が群がった。佐藤選手は言うまでもなく、感動のスピーチで五輪とパラリンピックの東京招致を成功させた立役者の一人。でも、この日のヒロインはライバルの中西麻耶選手(28)だ。佐藤選手の日本記録(5メートル02)を上回る5メートル18で優勝したのだから。
翌日、大半のメディアは「(あの)佐藤選手が登場」を伝えたが、中西選手の大記録を報じない新聞もあった。もし、メディアの中に「障害者スポーツは、スポーツとは別物」という意識があるとしたら、とんでもない考え違いだ。
記録に挑む姿勢は、健常者も障害者も変わりない。7年後の大成功に向けてまず意識改革しなければいけないのは、私たちメディアかもしれない。
毎日新聞 2013年12月28日 地方版
10月13日、味の素スタジアムで開かれた全国障害者スポーツ大会。陸上女子走り幅跳びに佐藤真海選手(31)が登場し、100人超の取材陣が群がった。佐藤選手は言うまでもなく、感動のスピーチで五輪とパラリンピックの東京招致を成功させた立役者の一人。でも、この日のヒロインはライバルの中西麻耶選手(28)だ。佐藤選手の日本記録(5メートル02)を上回る5メートル18で優勝したのだから。
翌日、大半のメディアは「(あの)佐藤選手が登場」を伝えたが、中西選手の大記録を報じない新聞もあった。もし、メディアの中に「障害者スポーツは、スポーツとは別物」という意識があるとしたら、とんでもない考え違いだ。
記録に挑む姿勢は、健常者も障害者も変わりない。7年後の大成功に向けてまず意識改革しなければいけないのは、私たちメディアかもしれない。
毎日新聞 2013年12月28日 地方版