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中嶋朋子…聴覚障害者を通して問う

 13日から26日まで、東京・初台の新国立劇場小劇場で上演される舞台「Tribes トライブス」(木内宏昌翻訳・台本、熊林弘高演出)で、中嶋朋子=写真右=と田中圭=同左=が共演する。

 題名は英語で「種族」の意味。英の女性劇作家ニーナ・レインの作品で、2010年にロンドンで初演された。

 耳の不自由な末っ子ビリー(田中)は、父親(大谷亮介)の方針で聴覚障害者のコミュニティーと一線を画し、手話を学ぶことなく言葉を覚え、補聴器の助けを借りて意思疎通してきた。が、次第に耳が聞こえなくなっていく恋人シルビア(中嶋)から手話を教わったことで、新しい世界が開かれる。また家族は、彼女の出現で、相手を理解するのに本当に必要なことは何か、という問いに直面する。

 中嶋は「手話、コミュニケーションの不協和音……掘り下げられるものがいっぱいある作品。シルビアは荒れ狂う海に漂う小さな船のような人ですが、自分で選択してそこに進み出ている気配がある。不安定な中にも強さを表現できたら」と語る。田中は「手話で世界が変わり、ビリーの位置がどう変わっていくのか。人間の欲深さ、怖さを出す作品にもなりうるし、家族愛の話に読めるし、どっちに行くか分からない」と模索している。

 耳の不自由な人たちとワークショップも行った。手話を使う場面も多い中嶋は、「人とつながるって、これだけエネルギーがいることなんだとこの作品に教わっている気がする」という。

 共演は鷲尾真知子、中泉英雄、中村美貴。17、25日に手話通訳付き公演がある。(電)03・5432・1515。

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(2014年1月13日 読売新聞)

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