【壮瞥】幅1・5メートルの水耕容器を4段に積んだラックがずらりと並び、リーフレタスが鮮やかな緑の葉を広げる。町内滝之町の障害者就労支援事業所「さらら壮瞥」にある植物工場は、寒さが厳しさを増す真冬の外界とは別世界。広さ約60平方メートルと小規模だが、胆振管内初の植物工場として昨年6月に完成以来、順調に出荷を続けている。
さらら壮瞥では21人の通所者が、農作業の手伝いとパンの製造販売をしている。植物工場は、4年前まで果樹園社長だった坂爪義春理事長(76)が、通所者の就労機会を増やそうと開設を決意。築50年を超すものの、ブロック造りで断熱性の高いリンゴ貯蔵庫を改造して使うことで経費を抑え、最新設備を約1千万円で導入した。
植物工場は照明や空調設備、栄養分入りの水溶液などを使い、作物の生育を屋内で人工的に制御するシステムで、季節を問わず同じ条件で生産できる。
さらら壮瞥の工場は冬の寒気や日光を遮断し、室温22度、湿度75%前後に保つ。育苗期を含め50日で1株90グラムにして出荷する。168個の水耕容器は、スポンジ上で発芽した苗やこんもり育った出荷期の株など、生育日数別に分けられている。
工場では毎日、通所者3、4人が働き、坂爪さんは半年の成果を「生産面は安定した」と振り返る。佐賀県の設備メーカーの指導に基づく作業の中で、メーカー側が60%程度を標準とする発芽率は100%を達成し、出荷量も1日80株ほどに上る。「壮瞥の水が良いのかも」と話し、室温管理の電気料も「成長促進用の蛍光灯の熱だけで冬も室温が30度ほどに上がり、予想より低コストに推移している」と笑顔を見せる。
今後は販売面が課題だ。出荷先はパンの直営店(店頭価格1株130円)に加え、道の駅そうべつ(同140円)、胆振、日高などのコープさっぽろ(同168円)を確保したが、袋や箱代を差し引いた1株当たりの収益は、120円の目標に対し現在は100円以下にとどまる。坂爪さんは「無農薬で洗う手間もいらない植物工場産レタスの人気を高め、より多くの人に働いてもらいたい」と稼働2年目の夢を描く。
北海道新聞(01/16 16:00)
さらら壮瞥では21人の通所者が、農作業の手伝いとパンの製造販売をしている。植物工場は、4年前まで果樹園社長だった坂爪義春理事長(76)が、通所者の就労機会を増やそうと開設を決意。築50年を超すものの、ブロック造りで断熱性の高いリンゴ貯蔵庫を改造して使うことで経費を抑え、最新設備を約1千万円で導入した。
植物工場は照明や空調設備、栄養分入りの水溶液などを使い、作物の生育を屋内で人工的に制御するシステムで、季節を問わず同じ条件で生産できる。
さらら壮瞥の工場は冬の寒気や日光を遮断し、室温22度、湿度75%前後に保つ。育苗期を含め50日で1株90グラムにして出荷する。168個の水耕容器は、スポンジ上で発芽した苗やこんもり育った出荷期の株など、生育日数別に分けられている。
工場では毎日、通所者3、4人が働き、坂爪さんは半年の成果を「生産面は安定した」と振り返る。佐賀県の設備メーカーの指導に基づく作業の中で、メーカー側が60%程度を標準とする発芽率は100%を達成し、出荷量も1日80株ほどに上る。「壮瞥の水が良いのかも」と話し、室温管理の電気料も「成長促進用の蛍光灯の熱だけで冬も室温が30度ほどに上がり、予想より低コストに推移している」と笑顔を見せる。
今後は販売面が課題だ。出荷先はパンの直営店(店頭価格1株130円)に加え、道の駅そうべつ(同140円)、胆振、日高などのコープさっぽろ(同168円)を確保したが、袋や箱代を差し引いた1株当たりの収益は、120円の目標に対し現在は100円以下にとどまる。坂爪さんは「無農薬で洗う手間もいらない植物工場産レタスの人気を高め、より多くの人に働いてもらいたい」と稼働2年目の夢を描く。
北海道新聞(01/16 16:00)