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確定申告の「障害者控除」 自治体で基準に差

 確定申告の受け付けは二月十七日から。納めすぎた税金を返してもらう還付申告なら、その前から手続きができる。納税者本人が要介護の高齢者だったり、扶養親族にそうした人がいたりする場合は、納める税金を減らせる「障害者控除」を受けられる可能性がある。ただ、控除を受けられる基準は住んでいる市町村で異なる。

 障害者控除は、一定の金額が課税対象から外れる「所得控除」の一種。控除額は障害者一人につき二十七万円。重度障害者の「特別障害者」であれば一人四十万円を控除できる。

 国税庁は障害者控除の対象となる「税法上の障害者」=表=に、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳などの取得者を挙げる。そのうち身体なら二級以上、精神なら一級、知的なら重度の認定を受けた障害者は「特別障害者」となる。

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 手帳がなくても、六十五歳以上で「障害者に準ずる者」と市町村長らが認めれば、障害者控除の対象になる。十二月末の時点で筋力の低下、脳血管障害の後遺症といった身体障害や、認知症で日常生活に支障のある人が、この対象になる。このうち六カ月以上寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする人など、重度障害者並みに生活に支障があれば「特別障害者」となる。

 国税庁は「市町村長らの認定を受けた場合は、障害者控除の対象となる」としている。障害者手帳を持っていない場合、誰を税法上の障害者とするかは自治体の判断次第なので、「ある自治体で認められても、別の自治体で認められないことはよくある」と、愛知県保険医協会の日下(くさか)紀生事務局次長は指摘する。

 また、国税庁は「控除には介護保険法の要介護認定は必須ではない」としている。しかし、同協会などが加入する愛知県社会保障推進協議会が、県内の市町村を対象にした調査では、要介護度を判断基準にしている自治体が多かった。「要介護度によらず、申請してもらった上で判断する」(名古屋市、豊橋市など)という自治体もあるが、一宮市、稲沢市、刈谷市など、多くの自治体が原則「要介護1以上」を控除の対象と認めていた。岩倉市など「要支援2以上」を控除対象とする場合も。

 要介護度で一律に認めるのでなく、要介護認定の際に割り出した高齢者の自立度を示す指標などを使い、対象を絞り込むところもある。豊川市は、対象を絞り込んでいるが、申請の参考になるよう、どの基準で認めるかを広報で示した。「誰が対象になるか分からない自治体や、非常に狭い範囲でしか障害者控除対象者を認めない自治体もある」と日下さん。

税法上の障害者と認めてもらうには原則、窓口で申請する。豊明市のように、該当する可能性のある人に申請書などを送り、注意喚起する自治体や、一宮市のように要介護1以上で、障害者手帳のない人すべてに「障害者控除対象者認定書」を送る自治体もある。名古屋市は要介護認定の案内時に、制度の説明文を同封しているという。

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中日新聞 -2014年1月29日

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