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障害ある生徒どう守る 津波懸念の浜松特別支援学校

 南海トラフ地震の想定津波浸水域にある浜松市南区の浜松特別支援学校で二十一日、地震や津波への対策を考える防災シンポジウムを、PTAが初めて開いた。県側に求めている内陸移転の見通しが立たない中、知的障害のある子どもを通わせる保護者からは「学校にいるとき親はどうしようもない」などと切実な声が上がった。

 主題は「地震・津波から大切な命を守ろう〜私たちにできることは〜」。東日本大震災で被災した仙台市若林区の障害者福祉施設の遠藤邦弘施設長の基調講演に続き、静岡大の原田賢治准教授(津波工学)らを交えて関係者が意見を交わした。

 母親の一人は、津波に襲われた後に学校まで迎えに行けるか尋ねた。原田准教授は周辺地域が液状化する可能性に触れ「仮に津波が来なくても、車が使えるとは限らない」と答えた。

 鈴木恵造PTA会長は、屋上につながる屋外階段の新設や登下校時の避難訓練など、大震災を踏まえた対策を評価した上で「万一を考えれば、きりはないが、学校生活は学校に任せるしかない」と保護者の思いを代弁。遠藤施設長は避難生活の教訓として「障害のある人は困っている状況を自分で伝えられない」と述べ、障害を知らせるためのカードを携帯させるなど事前対策の大切さを強調。「生命を守る方策をみんなで検討してほしい」と呼び掛けた。

 PTAは昨年三月、「安全な場所への早期移転」を求める要望書を安倍徹・県教育長に提出したが、現段階で返答はない。県教委学校教育課の担当者は「具体的な方向性は付いていない。校舎の老朽化など総合的に判断するための研究を進めていく」と話している。

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「子どもの生命を守るために皆で検討を」と呼びかける遠藤邦弘さん=浜松市南区の浜松特別支援学校で

中日新聞 : 2014年2月22日

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