札幌市のブライダルプロデュース会社が、聴覚障害者も楽しめる結婚式のプラン作りに取り組んでいる。社員が手話を学ぶほか、聴覚障害のある社員の意見を取り入れ、昨年12月には模擬披露宴を市内で開いた。会場に設置した風船に触って音楽を感じてもらうなど細かい工夫を凝らし、「障害者も健常者も共に喜びを分かちあえる式をつくりたい」とPRしている。
会社は中央区のグローヴエンターテイメント。佐藤望社長(41)が8年前、聴覚障害のある幼なじみの結婚式に出席したことがきっかけだった。
幼なじみは、障害のために式場選びが難航し、悩んだ末に地元の児童会館で挙式したという。佐藤さんは「障害にかかわらずどんな人も幸せになれる結婚式をつくりたい」と思い立った。
2012年10月から半年間、手話講師を招き、同社全スタッフの3分の1に当たる約30人が手話を学んだ。聴覚障害者の意見をプランに取り入れようと、昨年10月には生まれつき聴覚障害のある斉藤要さん(32)を社員に迎えた。
入社前、札幌で結婚情報誌の製作をしていた斉藤さんは「障害者が遠慮せず、心からリラックスできる結婚式が必要」と考え、同僚とメールや手話で意見交換しながらプラン作りを進めた。
昨年12月には聴覚障害者約50人を招待し、市内で模擬披露宴を開催。会場に巨大なスクリーンを設置し、結婚の誓いや司会の進行を手話で行いながら、スクリーンの字幕にも映した。出席者の椅子に風船を結び、触ると振動で音楽を感じることができるようにしたほか、手話を見やすくするため、テーブルの上に背の高い花は置かないなど配慮した。出席者からは「手話が通じて助かる」など好意的な感想が上がった一方、「字幕をもっと大きくして」「障害の程度でテーブルを分けてほしい」といった要望も寄せられた。
まだ式の依頼はないが、斉藤さんは「模擬披露宴での意見を反映させ、会場が一体となって聴覚障害者がサポートできる結婚式を目指したい」と張り切っている。問い合わせはグローヴエンタテイメント(電)011・522・1710、ファクス011・522・1720へ。
北海道新聞 (02/27 16:00)
会社は中央区のグローヴエンターテイメント。佐藤望社長(41)が8年前、聴覚障害のある幼なじみの結婚式に出席したことがきっかけだった。
幼なじみは、障害のために式場選びが難航し、悩んだ末に地元の児童会館で挙式したという。佐藤さんは「障害にかかわらずどんな人も幸せになれる結婚式をつくりたい」と思い立った。
2012年10月から半年間、手話講師を招き、同社全スタッフの3分の1に当たる約30人が手話を学んだ。聴覚障害者の意見をプランに取り入れようと、昨年10月には生まれつき聴覚障害のある斉藤要さん(32)を社員に迎えた。
入社前、札幌で結婚情報誌の製作をしていた斉藤さんは「障害者が遠慮せず、心からリラックスできる結婚式が必要」と考え、同僚とメールや手話で意見交換しながらプラン作りを進めた。
昨年12月には聴覚障害者約50人を招待し、市内で模擬披露宴を開催。会場に巨大なスクリーンを設置し、結婚の誓いや司会の進行を手話で行いながら、スクリーンの字幕にも映した。出席者の椅子に風船を結び、触ると振動で音楽を感じることができるようにしたほか、手話を見やすくするため、テーブルの上に背の高い花は置かないなど配慮した。出席者からは「手話が通じて助かる」など好意的な感想が上がった一方、「字幕をもっと大きくして」「障害の程度でテーブルを分けてほしい」といった要望も寄せられた。
まだ式の依頼はないが、斉藤さんは「模擬披露宴での意見を反映させ、会場が一体となって聴覚障害者がサポートできる結婚式を目指したい」と張り切っている。問い合わせはグローヴエンタテイメント(電)011・522・1710、ファクス011・522・1720へ。
北海道新聞 (02/27 16:00)