袖ケ浦市の県立障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター」の虐待問題で、職員の暴行後に死亡した19歳の少年が病院に救急搬送される前日、施設職員が少年の体温を頻繁に測っていたことが分かった。施設側が体調の急変を認識していたとみられるが、少年は放置されて翌日に呼吸困難になり、搬送先の病院で死亡。県の第三者検証委員会は今月下旬にまとめる中間報告に向け、少年が死亡した経緯を詳しく調べる。
第三者委の佐藤彰一座長(弁護士)が3日夜、県庁で記者会見して明らかにした。佐藤座長は「翌日に少年が病院に着いた時は心停止状態で手遅れだった。前日に職員の間では『どうしよう』と議論していたようだが、施設内に看護師も医師もいる。何も相談しなかったのは変な話だ」と指摘した。
県によると、少年は昨年11月24日午後5時半と午後8時ごろの2回、施設の寮で嘔吐(おうと)したが、少年は以前に食べ過ぎや水の飲み過ぎが原因で嘔吐したことがあるため、職員は経過を見守った。しかし、この時間帯に職員が「通常の回数を超えてかなり煩瑣(はんさ)(煩雑)」(佐藤座長)な頻度で少年の体温を測っていた記録が残っており、少年の体調の急変を明確に認識していた可能性が高いという。
第三者委は、今月下旬に虐待原因や再発防止策などをまとめた中間報告を発表し、少年が施設に入所してから死亡するまでの経緯の分析などを盛り込む予定。ただ、施設を運営する社会福祉法人「県社会福祉事業団」の存続や、指定管理者制度の是非などについては検証を続けるとしており、最終的な結論は8月になる見通しだ。
毎日新聞 2014年03月05日 地方版
第三者委の佐藤彰一座長(弁護士)が3日夜、県庁で記者会見して明らかにした。佐藤座長は「翌日に少年が病院に着いた時は心停止状態で手遅れだった。前日に職員の間では『どうしよう』と議論していたようだが、施設内に看護師も医師もいる。何も相談しなかったのは変な話だ」と指摘した。
県によると、少年は昨年11月24日午後5時半と午後8時ごろの2回、施設の寮で嘔吐(おうと)したが、少年は以前に食べ過ぎや水の飲み過ぎが原因で嘔吐したことがあるため、職員は経過を見守った。しかし、この時間帯に職員が「通常の回数を超えてかなり煩瑣(はんさ)(煩雑)」(佐藤座長)な頻度で少年の体温を測っていた記録が残っており、少年の体調の急変を明確に認識していた可能性が高いという。
第三者委は、今月下旬に虐待原因や再発防止策などをまとめた中間報告を発表し、少年が施設に入所してから死亡するまでの経緯の分析などを盛り込む予定。ただ、施設を運営する社会福祉法人「県社会福祉事業団」の存続や、指定管理者制度の是非などについては検証を続けるとしており、最終的な結論は8月になる見通しだ。
毎日新聞 2014年03月05日 地方版