本巣市下福島の物流会社LFC(井上武社長)が、法政大大学院中小企業研究所などが主催する「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の実行委員長賞を受賞した。高齢になっても働けるように社員の定年がなく、障害者を十人雇用している点などが評価された。
賞は、社員とその家族を大切にしながら地域社会にも貢献する会社をたたえようと、二〇一〇年度に創設され、四回目。人員整理を過去五年間以上していないことや黒字経営を継続していること、障害者の雇用率が法定以上であることなど五項目が審査条件となっている。
LFCは〇三年、アパレル会社ラブリークイーン(岐阜市)の物流部門が独立して設立された。既製服の検品や管理、発送が主な業務。井上社長は設立当時、ラブリークイーンの社長を務めており、当初から「社員満足度をいかに向上させるか腐心した」という。
それは過去の経営の反省から。一九九〇年代、ラブリークイーンは株式上場を最重要経営目標としていたが、不採算事業からの撤退が遅れて赤字経営に転落。「社員に不安を与えてしまった」。働くことで、社員が幸せを感じる会社にしたいと思ったという。
LFCの実践のひとつが高齢者雇用。昨年九月現在で、パートを含めた全従業員百三十四人のうち、二割以上に当たる二十八人が六十歳以上。これまでの最高齢者は、八十六歳のパート男性だった。七割を超える従業員百一人を女性が占めるのも特徴だ。
障害者の働きやすい社内環境にも工夫し、一目で分かるように道具や機器を色分けした。生まれつき足が不自由で、車いすで生活する棚橋良さん(22)は伝票の整理などを担当。「仕事ができる環境があるだけで、ありがたい」と話す。
井上社長は「高齢者や障害者、女性の雇用におけるモデル企業のような存在でありたい」と意気込む。
賞には全国から二十八社の応募があり、中小企業庁長官賞は一社、実行委員長賞は一社、審査委特別賞は五社が受賞する。贈賞式は二十日に東京都内である。
2014年3月19日 中日新聞
賞は、社員とその家族を大切にしながら地域社会にも貢献する会社をたたえようと、二〇一〇年度に創設され、四回目。人員整理を過去五年間以上していないことや黒字経営を継続していること、障害者の雇用率が法定以上であることなど五項目が審査条件となっている。
LFCは〇三年、アパレル会社ラブリークイーン(岐阜市)の物流部門が独立して設立された。既製服の検品や管理、発送が主な業務。井上社長は設立当時、ラブリークイーンの社長を務めており、当初から「社員満足度をいかに向上させるか腐心した」という。
それは過去の経営の反省から。一九九〇年代、ラブリークイーンは株式上場を最重要経営目標としていたが、不採算事業からの撤退が遅れて赤字経営に転落。「社員に不安を与えてしまった」。働くことで、社員が幸せを感じる会社にしたいと思ったという。
LFCの実践のひとつが高齢者雇用。昨年九月現在で、パートを含めた全従業員百三十四人のうち、二割以上に当たる二十八人が六十歳以上。これまでの最高齢者は、八十六歳のパート男性だった。七割を超える従業員百一人を女性が占めるのも特徴だ。
障害者の働きやすい社内環境にも工夫し、一目で分かるように道具や機器を色分けした。生まれつき足が不自由で、車いすで生活する棚橋良さん(22)は伝票の整理などを担当。「仕事ができる環境があるだけで、ありがたい」と話す。
井上社長は「高齢者や障害者、女性の雇用におけるモデル企業のような存在でありたい」と意気込む。
賞には全国から二十八社の応募があり、中小企業庁長官賞は一社、実行委員長賞は一社、審査委特別賞は五社が受賞する。贈賞式は二十日に東京都内である。
2014年3月19日 中日新聞