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石狩の手話条例 制定記念フォーラム 喜ぶ参加者「他都市でも」

 【石狩】聴覚障害者が暮らしやすい地域社会を目指す「石狩市手話に関する基本条例」が1日施行されたことを受け、13日に花川北コミュニティセンターで開催された「手話条例制定記念フォーラム」。NHKの番組「みんなの手話」で講師を務める早瀬憲太郎さん(40)の基調講演などで、手話を言語として広める意義が強調され、参加者から「他都市でも条例が制定されてほしい」と期待が広がった。

 市町での条例施行は三重県松阪市、十勝管内新得町と並んで全国で初めて。フォーラムは石狩市と全日本ろうあ連盟が主催し、道内外の聴覚障害者団体や手話サークルなどから約700人が参加した。

 映画監督としても活躍する早瀬さんは「東日本大震災では情報が伝わらなかったために、多くの耳の聞こえない人が亡くなった」と説明。「耳の聞こえない人も手話を積極的に発信していかなければならない」と訴えた。

 手話によるあいさつで田岡克介市長は「多くの市民の思いを託して誕生した条例。市民の皆さんと共有し、取り組みを広げたい」と意気込みを語った。新得町の浜田正利町長も出席し、手話を交えて今後の取り組みなどを話した。同町からは、歌詞を手話で表現する「手話コーラス」の団体が、演奏に合わせて童謡「ふるさと」などを披露。ステージからの呼び掛けに応じ、会場も手話で加わった。

 フォーラムに参加した多くの聴覚障害者が手話などで喜びを表現。石狩市花川南の主婦杉本洋子さんは「手話が世の中にアピールできたのがうれしい。市民の中にも手話を使える人が増えてほしい」。苫小牧市の会社員沼田和哉さん(26)は「今まで人前で手話をするのに抵抗があったが、このフォーラムに参加して堂々としていいんだという気持ちに変われた」と笑顔で話す。手話を学ぶ札幌市白石区のパート従業員蛯名尚美さんは「札幌などでも条例が制定されてほしい」と話していた。

(04/15 16:00)北海道新聞

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