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福島第1原発事故:行き場失う障害者 13通所施設休廃止

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 福島第1原発事故によって、30キロ圏内にある福島県相双地区の10市町村で障害者・障害児の就労や活動の場を提供していた通所施設28カ所のうち、半数近くの13カ所が休廃止されていることが毎日新聞の取材でわかった。避難先で再開した施設も、人材が不足している。居場所を失った障害者や保護者は避難生活の中で疲弊しており、専門家からは行政による積極的なかかわりを求める声が上がっている。

 ◇避難で症状悪化

 福島県浪江町の就労支援事業所「コーヒータイム」(橋本由利子所長)に同町の自宅から通っていた精神障害のある女性(56)は震災後1カ月間、避難先の体育館で幻聴に襲われた。声をかけて救ってくれたのは、慣れ親しんだ事業所スタッフ。事業所は同県二本松市で2011年10月に再開。女性も7回の転居の末、同市のアパートに住み、事業所が運営するカフェで働く。橋本所長は「避難生活で症状が悪化するケースも多く、居場所づくりのニーズは高まっている」と話す。

 ◇人材が不足

 10市町村で就労支援や自立訓練をする障害者向け通所施設19カ所と放課後デイサービスなどの障害児向け通所施設9カ所に聞くと、障害者の施設は▽継続7▽別の場所で継続5▽休廃止7。障害児の施設は▽継続2▽別の場所で継続1▽休廃止6−−だった。

 同地区で多くの施設を運営する社会福祉法人福島県福祉事業協会(田村市)は、震災前に230人いた職員が11年7月に130人に激減。現在は186人で、募集しても20〜30代を中心に避難などで集まらず、休止中の全施設の再開は難しい。

 重度障害者向けに生活介護を担う南相馬市のNPO「さぽーとセンターぴあ」は11年4月に再開すると、休止中の施設の利用者が訪れる一方、20人以上いた職員は3人に。今は人数こそ確保したが「ベテラン職員がいなくなり将来の運営が不安」(郡信子施設長)だ。

 ◇家族で抱え込み

 「障害児を見守ってきた仕組みが崩れ、家族だけで抱え込むケースが増えている」。いわき市で活動する相談支援専門員の古市貴之さん(37)は話す。放課後デイサービスが使えず仮設住宅で孤立し両親とも精神科に通ったり、発達障害のある子供の進学の相談先に苦労したりする。古市さんによると、同市への避難者約2万4000人中、障害者手帳所持者は約1000人いるとみられるが、住まいが分散しフォローしきれていないという。
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 相沢与一・元高崎健康福祉大大学院特任教授(社会保障論)は「避難者が広域に散らばり、職員も足りず、多くの障害者に手が差し伸べられていない。行政が積極的かつ柔軟な姿勢で事業所と連携する体制をつくる必要がある」としている。

毎日新聞 2014年04月17日 15時00分

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