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Channel: ゴエモンのつぶやき
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メルマガ 生活に光、色…視覚障害者らが発信

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 京都府内の視覚障害者ら24人が、日常生活での工夫や自身の体験を、「色鉛筆」と名付けたメールマガジンで発信している。

 企画したのは山科区在住で、自身も弱視の石川佳子さん。「孤独や焦燥感に向き合ってきた当事者が、ありのままの言葉で語ることで、同じ障害を持つ人たちを勇気づけたい」と力を込める。

 石川さんは、同じような立場の仲間から「視覚障害者になったばかりの頃が最もつらく、不自由だった」との声を聞き、早い段階で当事者と支援者をつなぐ取り組みの必要性を痛感。

 自身も結婚・出産を機に点字や白杖(じょう)の使い方を覚えて生活の質が向上した経験があり、手軽に情報を届けられるメルマガの発行を、府視覚障害者協会(北区)に提案した。

 ライターは、知人らに声をかけ、全盲や弱視といった障害を持ちながら子育てや会社勤め、演奏活動を続ける20〜60歳代が賛同。

 フリーライターとして取材・執筆の経験を持つ石川さんが編集を主に担当し、同協会が月2回程度、全国の読者約700人に無料配信している。タイトルの「色鉛筆」は、個性輝くそれぞれの日常をカラフルな色に例えた。

 メルマガで、全盲の30歳代男性は、伴走のボランティアの協力を得てランニングを始めた経緯をつづった。視覚障害者は歩く速度が遅く、運動不足になりがちで、始めたばかりの頃は「筋肉痛との闘いだった」。しかし、運動を続けるうちに、「今では風をきって走る心地よさ、近くを流れる川の音、野菜畑の土のにおいなどを楽しんで走れるようになりました」と喜びを表現する。

 色が区別しにくい病気を持つ30歳代の女性は、協会主催のカラーコーディネート講座に通い始め、買い物やおしゃれを楽しめるようになった経験を紹介。以前は周囲の人に色を尋ねられず、思っていたものと違う商品を買ってしまうこともあったが、講座に参加して自分に合う色やデザインを再確認し、自信が持てるようになったという。

 ライターたちが最近使い始めた便利グッズを紹介した回もある。視野狭窄(きょうさく)の人には撮影後に拡大した画像を見られるデジタルカメラの活用を勧め、全盲の人には携帯電話のボイスレコーダー機能で料理のレシピなどを吹き込む方法を案内した。

 メルマガは、視力に不安があっても、パソコンや携帯電話の音声読みあげ機能で内容を聞くことができ、「皆さんの工夫が参考になった」「元気をもらえた」と多くの反響が寄せられている。

 石川さんは「視覚障害者は移動と情報の面で大きな障害を抱え、孤立しがち。メルマガを通して、そんな暗いトンネルから抜け出し、多くの人に『一人じゃない』ということを感じてもらえれば」と話している。

 問い合わせは、府視覚障害者協会(075・462・2414)へ。

(2014年5月6日 読売新聞)

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