市川市にある千葉県内唯一の身体障害者野球チーム「市川ドリームスター」が、今月17、18日に神戸市の「ほっともっとフィールド神戸」で開かれる全国大会に初めて出場する。結成4年目にして日本身体障害者野球連盟に加盟できる12人以上の選手が集まった。チームの代表者は「大会参加を契機に県内の障害者野球を発展させたい」と意気込みを示す。
身体障害者野球は、バントや盗塁を禁止する特別ルールはあるが、基本は一般の軟式野球と同じ。足に障害があり、走れない選手は走塁を別の選手に託す「打者代走」を使うことができる。いすなどの補助具も利用可能で、選手は自分の障害に合わせてプレーを楽しむことができる。
同チームは、代表の笹川秀一さん(42)が2008年に報道で障害者野球を知り、「野球王国千葉にチームを」と11年7月に立ち上げた。地道な選手集めが功を奏して、これまで脳性まひで右半身が動かせない人や、四肢に障害を抱えている人など20〜58歳の男性が加入。昨年末に2人が加入して、選手が13人に。連盟の加盟条件をクリアした。月2回、3〜4時間程度、主に市川市内で全体練習を行い、全国大会に備える。
「これまでの人生でこんなに一生懸命になることはなかった」。キャッチャーの荒井幸治さん(29)は充実感を口にする。荒井さんは12年1月に交通事故で右足を切断。現在は義足を着けている。「このまま考え込んでいるとだめになりそう」と悩んでいた際に、障害者のスポーツ施設を通じてチームの存在を知り練習を見学。「いろいろな障害があるメンバーが楽しそうにやっている」と感じ参加を決めた。
リハビリを兼ねての練習が今では生活の一部になっている。全体練習の他にも、仲間を集めて公園で自主練習したり、草野球チームに交じったことも。バッティングセンターに通い、1日に700球打つこともあるという熱の入れよう。「野球をしている時が一番楽しい。多少痛いところがあろうが練習は休まない」と笑みがこぼれる。
今回は新たに連盟に加盟したことによる特別枠での出場。次回以降は関東甲信越のブロック予選を勝ち進まなければならない。「まずは最初の1点を取り、1勝をあげること。3年間の練習の成果を見せたい」と今大会の目標を語る笹川さん。「これからチームが一つでも上に行くためには多くの選手の力が必要になる。たくさんの人に障害者野球の存在を知ってほしい」と呼び掛けた。
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腕に障害があり、片手でバットを持ち打席に入る市川ドリームスターの選手(右)=昨年8月、静岡県裾野市(同チーム提供)
2014/05/07 10:45 【千葉日報】
身体障害者野球は、バントや盗塁を禁止する特別ルールはあるが、基本は一般の軟式野球と同じ。足に障害があり、走れない選手は走塁を別の選手に託す「打者代走」を使うことができる。いすなどの補助具も利用可能で、選手は自分の障害に合わせてプレーを楽しむことができる。
同チームは、代表の笹川秀一さん(42)が2008年に報道で障害者野球を知り、「野球王国千葉にチームを」と11年7月に立ち上げた。地道な選手集めが功を奏して、これまで脳性まひで右半身が動かせない人や、四肢に障害を抱えている人など20〜58歳の男性が加入。昨年末に2人が加入して、選手が13人に。連盟の加盟条件をクリアした。月2回、3〜4時間程度、主に市川市内で全体練習を行い、全国大会に備える。
「これまでの人生でこんなに一生懸命になることはなかった」。キャッチャーの荒井幸治さん(29)は充実感を口にする。荒井さんは12年1月に交通事故で右足を切断。現在は義足を着けている。「このまま考え込んでいるとだめになりそう」と悩んでいた際に、障害者のスポーツ施設を通じてチームの存在を知り練習を見学。「いろいろな障害があるメンバーが楽しそうにやっている」と感じ参加を決めた。
リハビリを兼ねての練習が今では生活の一部になっている。全体練習の他にも、仲間を集めて公園で自主練習したり、草野球チームに交じったことも。バッティングセンターに通い、1日に700球打つこともあるという熱の入れよう。「野球をしている時が一番楽しい。多少痛いところがあろうが練習は休まない」と笑みがこぼれる。
今回は新たに連盟に加盟したことによる特別枠での出場。次回以降は関東甲信越のブロック予選を勝ち進まなければならない。「まずは最初の1点を取り、1勝をあげること。3年間の練習の成果を見せたい」と今大会の目標を語る笹川さん。「これからチームが一つでも上に行くためには多くの選手の力が必要になる。たくさんの人に障害者野球の存在を知ってほしい」と呼び掛けた。

腕に障害があり、片手でバットを持ち打席に入る市川ドリームスターの選手(右)=昨年8月、静岡県裾野市(同チーム提供)
2014/05/07 10:45 【千葉日報】