聴覚障害者のために活動するのがノートテーカーだ。そのサポート内容は、聴覚障害者の隣に座り、先生の話している内容やその場で起こっていることを、手書きやパソコンで文字通訳すること(ノートテーク)。聴覚障害者1人に対し2人のノートテーカーが付き、授業内容から、教師の雑談や教室の状況まで、ノートテークする。
専修大学では、ノートテーカーの技術を全15回の正規授業で学ぶことができる。「聴覚障害者への理解、サポートを推進し、人の話を聞いて書き取る能力をのばせる」と、同大の障害学生支援推進委員会を中心としてスタートした。
この授業では、(1)聴覚障害学生と打ち合わせの上、何度も出てくる専門用語や画数の多い単語の略字を作り時間短縮を図る(2)キーワードを落とさないように、話し始めの言葉からすぐに書き始めず、聞きためてから書き出す−−など、ノートテーク技術を磨くことができる。
ノートテークでは、手書きとパソコンの両方を使う。手書きは数式や図などにも素早く対応でき、パソコンは文字打ちが速く、情報量が多くて文字が読みやすいという利点がある。担当教員の文学部兼任講師の神山みや子さんは「ノートテークの学習を通じて、障害者の立場になって考える想像力を養ってほしい」と語る。
沖縄大学では、学生ボランティアと連携しノートテーク活動に積極的に取り組んでいる。同大では、「学校行事にノートテークあり」をモットーに、入学式、卒業式、大学内での講演会などに、大きなスクリーンを広げ、そこにノートテークの内容を映し出す「スクリーンテーク」を行っている。
さらに、ノートテーク体験などができる勉強会を定期的に開催。また、地域の小中学校でノートテークに関する講演会を開いたり、2005年には琉球大学、沖縄国際大学、沖縄キリスト教学院大学、名桜大学と共同で聴覚障害学生支援に関するシンポジウムを開催するなど、大学内にとどまらず、ノートテークを広めようと活動している。
沖縄大は障害学生と支援学生を結びつけるコーディネーターを2人雇用しており、障害学生の相談にのったり支援学生の育成、支援環境の整備をしたりしている。コーディネーターの平良悟子さんは同大の卒業生でノートテーク支援を受けていた聴覚障害者。平良さんは「支援を受けるだけで終わるのではなく、今度は支援をする側になる」と話し、自身の経験や視点を支援に生かしている。 【専修大・三浦開世】
毎日新聞 2014年06月20日 東京夕刊
専修大学では、ノートテーカーの技術を全15回の正規授業で学ぶことができる。「聴覚障害者への理解、サポートを推進し、人の話を聞いて書き取る能力をのばせる」と、同大の障害学生支援推進委員会を中心としてスタートした。
この授業では、(1)聴覚障害学生と打ち合わせの上、何度も出てくる専門用語や画数の多い単語の略字を作り時間短縮を図る(2)キーワードを落とさないように、話し始めの言葉からすぐに書き始めず、聞きためてから書き出す−−など、ノートテーク技術を磨くことができる。
ノートテークでは、手書きとパソコンの両方を使う。手書きは数式や図などにも素早く対応でき、パソコンは文字打ちが速く、情報量が多くて文字が読みやすいという利点がある。担当教員の文学部兼任講師の神山みや子さんは「ノートテークの学習を通じて、障害者の立場になって考える想像力を養ってほしい」と語る。
沖縄大学では、学生ボランティアと連携しノートテーク活動に積極的に取り組んでいる。同大では、「学校行事にノートテークあり」をモットーに、入学式、卒業式、大学内での講演会などに、大きなスクリーンを広げ、そこにノートテークの内容を映し出す「スクリーンテーク」を行っている。
さらに、ノートテーク体験などができる勉強会を定期的に開催。また、地域の小中学校でノートテークに関する講演会を開いたり、2005年には琉球大学、沖縄国際大学、沖縄キリスト教学院大学、名桜大学と共同で聴覚障害学生支援に関するシンポジウムを開催するなど、大学内にとどまらず、ノートテークを広めようと活動している。
沖縄大は障害学生と支援学生を結びつけるコーディネーターを2人雇用しており、障害学生の相談にのったり支援学生の育成、支援環境の整備をしたりしている。コーディネーターの平良悟子さんは同大の卒業生でノートテーク支援を受けていた聴覚障害者。平良さんは「支援を受けるだけで終わるのではなく、今度は支援をする側になる」と話し、自身の経験や視点を支援に生かしている。 【専修大・三浦開世】
毎日新聞 2014年06月20日 東京夕刊