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Channel: ゴエモンのつぶやき
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会いたい聞きたい:障害者のためのカフェ経営、園田和也さん /熊本

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 ◇「皆を笑顔にしたい」−−園田和也さん(48)

 阿蘇のふもとの西原村宮山に、障害がある子供を気軽に連れていけるカフェ・レストラン「阿蘇マロンの樹(き)」がある。1500坪(約50アール)のクリ畑に囲まれた大自然の中で、園田和也代表(48)が腕によりをかけた手打ちパスタやバーベキューを堪能できる。園田代表の「癒やしの場」づくりにかける思いを聞いた。
 −−お店に着くと、まず大峰山(409メートル)中腹から見下ろす眺めに目を奪われます。表にいる大きな犬(バーニーズ・マウンテンドッグ、8カ月)は人懐こいですね

 ◆横浜市のブリーダーさんからもらってきました。あの子も後ろ脚に障害があるんですよ。店に来る子供たちのいい友達になってくれています。

 −−障害がある子供を持つ家族が年間200組ほど訪れるそうですね

 ◆障害があるお子さんがいる家庭は、レストランに出かけるのも難しいです。お父さん、お母さんが気を使われますからね。でも、この店は山の中だから気遣い無用です。思い切り大きな声を出して走り回っていい。料理をこぼしても構わないです。ご家族には「うちでは『駄目』と言わなくていいんですよ」とお伝えしているんです。皆を笑顔にさせてあげることが私の仕事ですから。

 −−何がきっかけでそういう方針に?

 ◆詩人の濱田龍郎さん(68)が益城町で運営している障害者就労支援施設の利用者たちと、イベントのステージで踊る機会があったんです。皆、何ていい顔をしているんだろうと心を打たれました。もっと一緒に、彼らの中に入っていきたいと思ったんです。生きている皆が一緒の時間を過ごせる場にしたい、という思いが強くなりました。

 −−料理は熊本全日空ホテルなどの元シェフに手ほどきを受けたそうですね

 ◆県酪連に勤めていたころ、阿蘇ミルク牧場の開業、運営に携わりました。その時、お客さんに料理を提供する楽しさを知ったんです。きれいですました女性でも、おいしい料理を前にするとたちまち笑顔になりますからね。子供たちを笑顔にするため、心を動かすためにできる限りの準備をしたい。そう思ってトマトソースの作り方から教えてもらいました。

 −−来年からは宿泊もできるそうですね

 ◆店を増築して寝室とシャワー室、キッチンを造ります。レストランの営業が終わって私たちが帰った後は、お客さんだけで思いのままに過ごしてもらおうと思います。冷蔵庫の食材も自由にお使いください。大自然の中ですてきな思い出を作ってほしいです。

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 ◇プロフィル

 熊本市出身。県酪農業協同組合連合会を退職した後、10年4月「マロンの樹」をオープンさせた。阿蘇の赤牛や小麦、野菜など地元食材にこだわった「田舎パスタ」が人気。毎月第3日曜日に入場無料の「マローナ音楽祭」を開催する。12月は16日午後1時から。営業は午前10時〜午後6時(冬季は午後5時まで)。木曜定休。問い合わせは096・279・1588。

毎日新聞 2012年11月25日 地方版


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