障害者や高齢者など就労困難者の雇用に取り組むIT企業「アイエスエフネットグループ」(東京都港区・渡辺幸義代表)は、沼津市西条町の沼津事業所の一部を7月1日から高齢者の居場所として開放すると発表した。渡辺代表は「居場所のないシニアが孤独だったり、徘徊(はいかい)したりするのは寂しい」と理由を説明した。
午前8時〜10時半まで、事業所2階の健康レストラン「たくみ農園」約100平方メートルと4階のデイサービス室など約50平方メートルの2カ所を65歳以上の人に無料開放。雑誌を自由に読んでもらうほか、パズルやテレビゲーム、けん玉も用意する。飲み物も自由に飲める。
沼津出身の渡辺代表は昨年10月、就労支援やデイサービスの複合事業所を沼津に設立。就労支援35人、雇用15人の計50人の障害者に働く機会を広げた。雇用者の5人は60歳以上だ。また「たくみ農園」のビュッフェ式ランチの料金を大人990円、60歳以上600円としたところ、客の約6割が60歳以上となり居場所のない高齢者が多いと実感。空き時間の施設開放を決めた。
就労で沼津事業所が生きがいある居場所になった高齢者もいる。
元商社員の沼津市下香貫の三浦滋三(しげみ)さん(71)は45歳ごろ網膜色素変性症と診断され、徐々に視力を失い65歳で失明した。4月に沼津事業所に採用され、現在は週1回、就労支援受講者を対象に講師を務める。三浦さんは「営業マンで話をするのが合っている。若い人に体験を話すことが生きがいとしてプラスになっている」と喜ぶ。
渡辺代表は「高齢者の居場所作りは社会的貢献として取り組む。認知症予防や社会問題化している行方不明者対策にもつながるはず。それぞれの顔が分かる楽しい場所になれば」と期待している。
毎日新聞 2014年07月01日 地方版
午前8時〜10時半まで、事業所2階の健康レストラン「たくみ農園」約100平方メートルと4階のデイサービス室など約50平方メートルの2カ所を65歳以上の人に無料開放。雑誌を自由に読んでもらうほか、パズルやテレビゲーム、けん玉も用意する。飲み物も自由に飲める。
沼津出身の渡辺代表は昨年10月、就労支援やデイサービスの複合事業所を沼津に設立。就労支援35人、雇用15人の計50人の障害者に働く機会を広げた。雇用者の5人は60歳以上だ。また「たくみ農園」のビュッフェ式ランチの料金を大人990円、60歳以上600円としたところ、客の約6割が60歳以上となり居場所のない高齢者が多いと実感。空き時間の施設開放を決めた。
就労で沼津事業所が生きがいある居場所になった高齢者もいる。
元商社員の沼津市下香貫の三浦滋三(しげみ)さん(71)は45歳ごろ網膜色素変性症と診断され、徐々に視力を失い65歳で失明した。4月に沼津事業所に採用され、現在は週1回、就労支援受講者を対象に講師を務める。三浦さんは「営業マンで話をするのが合っている。若い人に体験を話すことが生きがいとしてプラスになっている」と喜ぶ。
渡辺代表は「高齢者の居場所作りは社会的貢献として取り組む。認知症予防や社会問題化している行方不明者対策にもつながるはず。それぞれの顔が分かる楽しい場所になれば」と期待している。
毎日新聞 2014年07月01日 地方版