体に障害のある人が災害時の避難所で困らないためには何が必要か――。中学校の体育館を実際の避難所に見立て、障害者と中学生が一緒に動きながら考える訓練が26日、福島県いわき市であった。東日本大震災の避難所ではさまざまな障壁があったことから、障害者支援のNPO法人いわき自立生活センターが主催。ヘルパーも含め約60人が参加した。
体育館の入り口に段差があれば、車椅子で入るには助けが必要。館内のあちこちに救援物資が置かれていると、目の見えない人がぶつかって安全に歩けないので、物資を1カ所にまとめて整理し、壁を手で触りながら歩ける通路を確保しなければいけない。健常者には気が付きにくい視点をみんなでチェック。段ボールで寝床をつくる作業も体験した。
聴覚障害がある永野光隆さん(47)は「マイク放送だけでは私たちに重要な知らせが伝わらないので、情報を目で見えるようにする工夫が必要」。脳性まひの中村純子さんは「周囲に自分の障害を積極的に伝えて、助けてもらおうと思う」と話した。
中学2年の草野拓己君(13)は「障害者に自分から気付き、助けに回ることが大切だと分かった」と振り返った。
先の震災時は避難所のバリアフリーという観点がほとんどなく、障害者や家族が周囲に遠慮して車中泊したケースもあった。いわき自立生活センターの長谷川秀雄理事長(60)は「障害のある当事者から声を上げて健常者との相互理解を進め、災害弱者が置き去りにされない避難所運営を考えたい」と話している。
2014/7/26 21:27 日本経済新聞
体育館の入り口に段差があれば、車椅子で入るには助けが必要。館内のあちこちに救援物資が置かれていると、目の見えない人がぶつかって安全に歩けないので、物資を1カ所にまとめて整理し、壁を手で触りながら歩ける通路を確保しなければいけない。健常者には気が付きにくい視点をみんなでチェック。段ボールで寝床をつくる作業も体験した。
聴覚障害がある永野光隆さん(47)は「マイク放送だけでは私たちに重要な知らせが伝わらないので、情報を目で見えるようにする工夫が必要」。脳性まひの中村純子さんは「周囲に自分の障害を積極的に伝えて、助けてもらおうと思う」と話した。
中学2年の草野拓己君(13)は「障害者に自分から気付き、助けに回ることが大切だと分かった」と振り返った。
先の震災時は避難所のバリアフリーという観点がほとんどなく、障害者や家族が周囲に遠慮して車中泊したケースもあった。いわき自立生活センターの長谷川秀雄理事長(60)は「障害のある当事者から声を上げて健常者との相互理解を進め、災害弱者が置き去りにされない避難所運営を考えたい」と話している。
2014/7/26 21:27 日本経済新聞