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Channel: ゴエモンのつぶやき
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弱視の伊山さん、今週英国へ 障害者支援策など学ぶ 「自分の道探すきっかけに」 /福井

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 県立盲学校(福井市原目町)高等部普通科3年の伊山功起(こうき)さん(17)=永平寺町=が今月8〜19日、民間の海外派遣事業の一環で英国を訪れ、現地の視覚障害者支援策などを視察する。将来の進路に悩む時期もあったが、「自分の可能性を広げたい」と思い、初めての長期海外生活に飛び込む。

 伊山さんは弱視の障害があり、現在視力は右目が0・03、左目が0・05ほど。授業では、ぎりぎりまで顔を近づければ黒板の文字を読むことができる。初めて訪れる場所では、段差を探すためや障害に気づいてもらうために白杖(はくじょう)を使っている。

 だが、普段は体を動かすことが大好きだ。視覚障害者の体育大会に数多く出場し、6月に大阪市であった身体障害者の陸上競技大会では100メートル走で11秒68を記録して大会記録を更新。「視力障害の程度に関係なく、同じ立場で競える短距離走は大好き」と話す。

 英国研修への参加は、視野を広げたいと思ったから。伊山さんは、今春まで盲学校の教師を夢見ていた。「自分と似た境遇の子供たちに伝えられることがあるはず」と考えていた。だが、現役教師たちの苦労話を聞く機会があり、心が揺れた。

 転機は5月、はりきゅうや理学療法学などを学べる筑波技術大(茨城県)のオープンキャンパスに参加したことだった。企業で社員のメンタルヘルスに関わる「ヘルスキーパー」の資格などを取得できることを知った。今秋には同大の推薦入試を受ける予定だ。

 また、6月に聴いた、視覚障害を抱えながら昨年4〜9月に欧州など16カ国を回る一人旅を成功させた鈴木弘美さん(49)=東京都=の講演にも心を強くした。「やりたいことは、やってみることが大事」との言葉に背中を押された。

 英国研修には、全国から選考で選ばれた高校1年〜大学2年の視覚障害者計6人が参加。現地の視覚障害を持つ生徒との交流のほか、ヘッドホンによる音声解説付きミュージカルの観劇など、日本ではなじみのない障害者支援策にも触れる。伊山さんは「多くの経験を積み、今後自分が歩む道を探すきっかけにしたい」と意気込んでいる。

毎日新聞 2014年08月05日 地方版

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