【千歳】障害者の通所施設の元支援員、五月女綾子さんが11日、豆腐料理のカフェ「びーんず本舗」(栄町4)を開店し、初日から主婦らでにぎわっている。骨に激痛が走る原因不明の病で3年前に施設を退職したが、徐々に回復に向かい再出発。自らの経験から、将来は一般企業で働くことが難しい障害者や持病のある人も働ける場にしたいと意気込んでいる。
五月女さんは、市内の障がい者支援センター「しんとみ」(現・障がい者支援センター「キラリ」)で約20年間、支援員として勤務。障害者の生活や就労を後押ししてきた。
体調が一変したのは3年前のこと。刀で切られるような激痛が肩や指先に走った。道内の大学病院などを5、6カ所回ったが、原因は今も分からないまま。書類をつかむこともできなくなり、やむなく施設を退職した。
「このまま死んでしまうんじゃないか」。恐怖と痛みで、眠れない夜を重ねた。
出口の見えない病との闘いに光が差し始めたのは、昨年5月。医師に勧められ抗がん剤の投与を試みたところ、痛みが消え始めた。
体調が回復したとき、頭に浮かんだのは「もう一度、障害のある人たちと働きたい」という思いだった。病気をしたこともあり、健康食品の豆腐に着目。地域の人たちが憩える場所も兼ねて豆腐料理のカフェを開くことにした。道内で人気の豆腐店を回り、一から豆腐作りを学んだ。
店内は白を基調とした落ち着いた雰囲気で、道産大豆を使ったおぼろ豆腐、木綿豆腐(いずれも200円)を販売。店では豆腐カレーやおからのパウンドケーキなど手製の豆腐料理も楽しめる。初日は20代から年配までの女性客らが訪れ、「ヘルシーでいい」「1人でゆっくり過ごせる」と好評。数に限りのある豆腐は午前中で完売した。店が軌道に乗れば、障害のある人や病を患う人たちも雇うつもりだ。「お客さんにとっても、働く人にとっても、温かい居場所になれば」。五月女さんの新しい挑戦が始まった。
(08/13 16:00) 北海道新聞
五月女さんは、市内の障がい者支援センター「しんとみ」(現・障がい者支援センター「キラリ」)で約20年間、支援員として勤務。障害者の生活や就労を後押ししてきた。
体調が一変したのは3年前のこと。刀で切られるような激痛が肩や指先に走った。道内の大学病院などを5、6カ所回ったが、原因は今も分からないまま。書類をつかむこともできなくなり、やむなく施設を退職した。
「このまま死んでしまうんじゃないか」。恐怖と痛みで、眠れない夜を重ねた。
出口の見えない病との闘いに光が差し始めたのは、昨年5月。医師に勧められ抗がん剤の投与を試みたところ、痛みが消え始めた。
体調が回復したとき、頭に浮かんだのは「もう一度、障害のある人たちと働きたい」という思いだった。病気をしたこともあり、健康食品の豆腐に着目。地域の人たちが憩える場所も兼ねて豆腐料理のカフェを開くことにした。道内で人気の豆腐店を回り、一から豆腐作りを学んだ。
店内は白を基調とした落ち着いた雰囲気で、道産大豆を使ったおぼろ豆腐、木綿豆腐(いずれも200円)を販売。店では豆腐カレーやおからのパウンドケーキなど手製の豆腐料理も楽しめる。初日は20代から年配までの女性客らが訪れ、「ヘルシーでいい」「1人でゆっくり過ごせる」と好評。数に限りのある豆腐は午前中で完売した。店が軌道に乗れば、障害のある人や病を患う人たちも雇うつもりだ。「お客さんにとっても、働く人にとっても、温かい居場所になれば」。五月女さんの新しい挑戦が始まった。
(08/13 16:00) 北海道新聞