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Channel: ゴエモンのつぶやき
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精神障害者の福祉医療を実現する県会議共同代表、栃本一弥さん /奈良

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 ◇当事者として活動の先頭に−−栃本一弥さん(54)

 身体・知的障害者が病気で入院、通院した際、医療費の自己負担分を助成する福祉医療制度。精神障害者には適用がなく、精神科の通院に対する助成があるだけだ。当事者として、精神障害者への制度適用を求めて、行政などへの要望活動の先頭に立つ。「精神障害者は生活に困窮する場合が多く、現状を伝えていきたい」と話す。

 20代前半で統合失調症と診断された。青果店などで働いても長続きせず、同じ頃、軽度の間質性肺炎も持病となった。病院の検査費などを払う家族の負担は重く、やがて通院から足が遠のいた。当時、福祉医療制度があれば、治療を続けられたかもしれないと思う。

 失業中の十数年前、保健所の職員から同様の障害を持つ人たちが集まる「居場所」への参加を勧められた。12年9月に家族会や支援者らが立ち上げた「精神障害者の福祉医療を実現する県会議」には、当事者として立場を訴える役割を期待され共同代表を引き受けた。制度の事業主体の各市町村や、費用を折半する県を回って続けた要望活動には欠かさず参加した。

 県は今年度一般会計当初予算に、精神障害者医療費助成充実の関連予算約1億6000万円を盛り込んだ。活動が報われた成果だった。しかし対象範囲や開始の時期で県内12市の賛同を得るには至っていない。「体が痛いとか、しんどい時に病院に行けば医療費がかさむが、精神障害者は働き続けることが難しく、支払いは困難だ。これからも困っていることをきちんと伝えたい」と語る。

 ■人物略歴

 ◇とちもと・かずや

 1960年生まれ。精神障害者の居場所作りのため、自助グループの「NPO法人なゆたの会」(橿原市)を仲間と作り、現在は理事長。なゆたの会には毎日10人程度の利用がある。

毎日新聞 2014年09月02日 地方版

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