障害者がさまざまな仕事を体験する講座「オ!シゴト・バリ体験(書道家になる旅)」が7日、八幡西区里中の里中公民館であった。九州国際大(八幡東区)の国際関係学部で観光ビジネスを学ぶ学生たちが企画した。
学生たちは所属するゼミの福島規子教授(観光学)の指導を受け、障害者が個人でできる可能性がある仕事のうち「書道家」のほか、「イラストレーター」や「翻訳家」「インタビュアー」「図書館司書」の五つの講座を企画した。
このうち「書道家になる旅」を体験したのは、40代から目が不自由になり、現在は全く見えないという池前己代子さん=小倉南区下曽根。北九州市書道連盟の櫻井松阜(しょうふ)理事長の指導で、文字を書くとその部分がもり上がって、手で触ることができる特殊な墨を使い自分の名や「花」「心」「海」などを書いた。
櫻井理事長は「文字の点画をつなぐ空白部分を見事にイメージできました」と作品を講評した。池前さんは「主人の父が、人に書を教えていたので自分もいつかやってみたいと思っていました」と体験に満足そうだった。
企画した同大2年の舌崎奏真(そうま)さん(20)は「仕事の楽しさを感じてもらい、障害者の自立や就労支援に結びつけられればうれしい」と話した。
毎日新聞 2014年09月08日 〔北九州版〕