障害者が働く「はまゆう作業所」(和歌山県田辺市上屋敷2丁目)が、主力商品の米と切り干し大根を活用し、おにぎりと総菜の店「おにぎりやさん らいすボールコロコロ」を田辺市文里2丁目の神島高校正門前に開店した。自ら栽培した季節野菜も原材料にし、安心と安価をアピールしている。
同作業所は、紀南地方の委託農家から米を買い取り、精米して産直店などで販売する事業が売り上げの多くを占めている。米を利用した直営店舗により、作業所利用者の意欲を高めて就労の場にしようと空き店舗で今月2日から営業を始めた。
看板商品のおにぎりは、サケや梅、昆布、炊き込みご飯から2種類を組み合わせ、2個で100円。新米のコシヒカリ100%で、冷めても味が良いガス釜を使用している。白ご飯もある。
米とともに主力の切り干し大根は総菜に使用。切り干し大根は地元農家から買い取るダイコンを収穫後すぐ加工、天日干ししている。デパートで催事販売されるなどした商品で、店頭では煮物にしている。
総菜の材料は、ナスやピーマンといった旬の野菜がメーン。高校生に加え、周辺で暮らす高齢者にも買いやすいよう少量で1パック50円や100円に設定した。近くの作業所から届く焼きたてのパン、シフォンケーキも扱う。
開店以来、高校生や住民の来店が目立っている。近くに住む一人暮らしの木村節代さん(77)も「一人で食べる量にちょうど良く買いやすい。文里にはスーパーがなくタクシーで買い物に行く人もいるので、近くにこんな店があると便利」と話す。
客の要望を取り入れ、季節野菜を生かしながら商品のバリエーションを増やしていきたいという。庄田加奈子店長は「好評を頂いていた米や切り干し大根を生かせる業態として念願がかなった。安くて安心な品で地域で愛される店を目指し、作業所利用者の生産の励みにしたい」と話している。
営業時間は月〜金曜の午前10時〜午後4時。祝日は休み。
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【神島高校正門前に開店したおにぎりと総菜の店(和歌山県田辺市文里2丁目で)】
(2014年09月14日更新) 紀伊民報