県保健福祉部は16日、県内の障害者と、児童福祉施設などに措置された子どもに対する2013年度の虐待状況を公表した。
障害者虐待に関する相談や通報は13年度、県や市町に計45件あり、調査の結果18件(18人)が虐待を受けたと判断された。
18件のうち1件は、県北の障害児通所支援事業所で、指導員が利用者の未就学児に対し、暴言による心理的虐待や、頭をたたいたりする身体的虐待を行った。利用者にけがはなかった。事業所を管轄する市が改善を指導したという。
7件は職場での虐待で、最低賃金を下回る賃金しか払わないなどの経済的虐待が6件、暴言などによる心理的虐待が1件。残る10件は保護者などによる家庭内虐待で、身体的虐待が9件を占めた。
障害者虐待防止法が施行された12年度は10月以降の半年間で46件の通報があり、17件が虐待と判断された。13年度は実質的に減少した。県障害福祉課は「減少した理由は明確でないが、虐待防止の研修や啓発の効果も表れているのではないか」とみている。
また、児童福祉施設などに措置された子どもに対する虐待は13年度、1件の通報があり、県は虐待に当たると判断した。県南の施設で職員が小中学生の男子計12人に対し、頭などをたたいたり、怒鳴ったりするなどの身体的・心理的虐待を繰り返したという。子どもにけがはなかった。
県こども政策課によると、職員は「言うことを聞かせるためだった」と話している。施設に対し再発防止の徹底を指導したという。
9月17日 朝刊 下野新聞