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民間障害者雇用率:10年連続全国下回る 昨年1.55%、法定率届かず 受け入れ支援課題 /山形

 県内の民間企業の障害者雇用率は、02年から昨年まで10年連続で全国平均を下回る厳しい状況であることが分かった。昨年も1・55%(全国平均1・65%)で民間企業の障害者法定雇用率1・8%にも届いておらず、障害者の就職難は深刻化している。来年4月から法定雇用率が2・0%に引き上げられることから、より一層の企業側への理解が求められる。しかし雇う企業側は「障害者に適した仕事がない」「受け入れ設備が未整備」などの課題があり、障害者を雇う際のハードルは高いのが現状だ。

 山形労働局が毎年6月1日現在でまとめた民間企業の障害者雇用率は、01年(1・56%)までは全国平均を上回っていた。その後、一時1・38%まで落ち込んだ後は少しずつ回復してきているものの全国平均との差は拡大している。また、障害者の雇用が義務づけられている従業員56人以上の対象事業所746社のうち、法定雇用率を達成したのは約半数(374社)にとどまっている。

 労働局によると、11年度末現在で、県内のハローワークに登録し職を探している障害者の有効求職者は1698人いる。昨年度1年間の新規求職者は1117人(前年比18%増)で、就職者数594人(同0・3%減)。

 来年4月からは、法定雇用率が2・0%に引き上げられるほか対象事業所の規模も50人以上に広がる。県や労働局は企業の採用担当者を集めたセミナーを開いたり、パソコン技術や介護サービス補助などの職業訓練支援をした障害者とマッチングを図る合同面接会を開催し、障害者の雇用促進を狙う。また労働局は事業所を個別訪問するなどして企業側への理解を求めている。

 しかし県がアンケートで、企業の障害者の雇用拡大への課題について聞いたところ、「障害者に適した仕事がない」「バリアフリーなど障害者の受け入れ施設・設備が未整備」「人を回す余裕がなく、社内での障害者の雇用支援態勢が未整備」との回答が多かった。労働局によると、大企業の採用意欲は強いが、中小企業は即戦力を求めている傾向も強く、障害者の採用まで余裕がないという。企業によっては障害者に適した仕事があるにもかかわらず理解しきれていなかったり、どう対応していいのかわからないなど戸惑っている様子がうかがえる。

毎日新聞 2012年10月18日 地方版

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