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Channel: ゴエモンのつぶやき
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視覚障害いろは歌 日常の体験、五七五に

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 東大和市の鈴木儀二郎さん(82)が、自らの体験を元にした「視覚障害いろは歌」を作った。目が不自由な生活での困りごとや支援への感謝など、日頃の思いを五・七・五の17文字に込めた47点の歌は、視覚障害者に接する人の参考にもなる内容になっている。

 鈴木さんは、視力が徐々に低下する難病「網膜色素変性症」を患い、1970年頃に視力を失った。その後も特別養護老人ホームで高齢者のリハビリテーション支援などの仕事に従事し、現在は同市の視覚障害者団体「ひとみサークル」の会員として、障害者の支援活動などをしている。

 昨年12月の障害者週間に合わせて、市が視覚障害者への理解を市民に深めてもらうためのイベントを開くことになり、歌づくりを思い立った。毎日2~3点を作っては点字にして書き留め、約2か月がかりで100点以上を作った。市側とも相談し、このうち47点をピックアップし「視覚障害いろは歌」とした。

 同月7日に同市中央公民館で行われた市のイベントでは、アイマスクをした疑似体験などが行われ、会場にいろは歌も展示された。

 「引く手より 貸してください 肩と腕」

 親切な人が手を引いてくれる場合があるが、手を引かれるのは右に行くのか左に行くのかも分かりづらく不安で、肩や腕に手を置かせてもらう方が助かりますとの思いを込めた。

 「イスの位置 背もたれ座面 教えてね」

 会議などに参加する際、いすの場所を説明されて背もたれに触れても、左右どちらに座面があるかわからず、手探りをしてようやく席につく苦労をにじませている。

 「分かれ道 教えてもらえる 人を待つ」

 つえを持って歩いていても、一人の時には様々な場面で手助けが欲しい状況があることを理解してほしいとの思いを歌にした。感謝を込めて、「差し出され 握手する手の 温かさ」という歌も作った。

 鈴木さんは「普段の生活や、愚痴のようなものもあるが、視覚障害者の本音だと思って、理解が広がってくれればうれしい」と話している。

 「視覚障害いろは歌」は、一覧にしたものを東大和市役所で配布しているほか、同市のホームページからダウンロードすることもできる。

問い合わせは同市障害福祉課(042・563・2111)へ。

2015年01月31日   読売新聞

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