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Channel: ゴエモンのつぶやき
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障害者の工賃アップへ NPO法人を立ち上げ

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 大阪府電気工事工業組合(西野正則理事長)と府内の中小企業、社会福祉法人らが一体となり、NPO法人「環境と福祉に貢献する会」を立ち上げた。12月20日には大阪市内のホテルで設立総会を開き、施設で働く障害者らの工賃向上に向けて活動をスタートさせた。

 精密部品加工を手掛けるアスク(枚方市)が開発を進める卓上型電線被覆剥離機「電線マン」を使用し、障害者就労支援施設で作業する障害者らの工賃を向上させようという試みで、昨年から同社と施設が共同し、作業が可能かを試行。機械を使う上での課題や機械自体の問題点などを洗い出してきた。

 結果をもとに機械の開発は進み、現在は細径のハーネス線の被覆も剥離できるようになった。施設での作業も単に可能というだけでなく、銅線の種別や細さの分別▽銅線の剥離▽剥離後の分別−など作業の分担が確保でき、得意不得意で仕事の割り当てができるなど好感触を得ている。

 あと1点、「剥離する銅線の確保」だけが大きな課題として立ちはだかっていた。そこに今回、大阪府電気工事工業組合が全面協力すべく立ち上がった。

 同組合は現在、府内14支部に約2500社の会員企業を有する。今後は会員企業に障害者支援の趣旨を呼び掛け、端材となった銅線を募って障害者就労支援施設などに無償で提供する。

 施設は剥離した銅線を売却して利益を得る。銅線剥離作業に取り組むことで、施設は従来作業に比べ既にある程度の利益率アップが見込めていたが、今回設立するNPOの支援・協力で銅線確保に道を開くとともに、銅線仕入れの負担が軽減され、さらなる利益率の上昇と各個人の工賃上昇が見込める。

 電気工事業は普段、仕事の場面はもちろん、その出来上がりも一般の人たちの目に触れにくい全くの裏方稼業。NPO設立の代表呼び掛け人で、代表に選任された西野理事長は「自立される障害者への社会貢献。金を稼ぐばかりでなく、われわれ業界も何か貢献しないといけない。景気も悪いし大きなことは言えないが、貢献して一般の方々から目を向けていただき、その活動を地域に知ってもらえれば」と話す。

 細径の廃銅線は現在、その大部分が中国に輸出されている。被覆を取り除くために野焼きにされ、ダイオキシンを発生するなど環境汚染の一因にもなっている。今回の取り組みで国内での剥離処理が進めば、環境保護にもつながる。

 障害者支援と環境保護の両輪を推進する今後の取り組みに、同組合の西村滋二理事は「日本だけでなく世界的に広がる方向に持っていきたい」と意気込みを語った。


設立総会で今後の意気込みを語る西野理事長(右奧)

大阪日日新聞-2013年1月7日

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