宮城県女川町で障害者就労支援施設を運営していたNPO法人「きらら女川」は、東日本大震災で被災した施設を4月にも同町で再開する。理事長の阿部雄悦さん(71)らは鳥取県伯耆町に活動拠点を移し、「障害者が生き生きと働ける場所を取り戻す」と再起を目指してきた。
施設は鷲神浜地区の住宅地に再建される。障害者がかりんとうを製造する木造平屋の工場と、住民も立ち寄れるプレハブの休憩所を設ける。
元の施設は2010年12月、食品加工会社「夢食研」の社長も務める阿部さんが、伯耆町で障害者就労支援施設を運営する松原千晶さん(51)の支援を受けて開設した。夢食研が製造した生地を仕入れ、障害者11人がかりんとうを作っていた。
震災で建物は流失し避難後に自宅へ戻るなどした2人が亡くなった。夢食研の工場も流されたが、全国の障害者作業所にかりんとうの生地を供給していた阿部さんは工場移転を決断。11年4月に伯耆町で生産を再開し、現地で障害者就労支援施設も開所した。
女川での施設再建も諦めなかった。多忙な阿部さんに代わって松原さんが毎月訪問。被災地では適当な用地がなかなか見つからなかったが、松原さんは「伯耆町で元気に働く障害者を見て、女川でも何とか再開させたかった」と振り返る。
昨年5月、高台の住宅地にあった約1000平方メートルの空き地を紹介され、阿部さんが購入した。土台の整備が済み次第、建築工事に着手。2年ぶりに再開する際は以前働いていた人を中心に活動し、徐々に雇用の枠を広げたいという。
「震災から生かされた身だからこそ、立場の弱い障害者が働ける場をつくりたかった」と阿部さん。松原さんも「障害者がやりがいを持って元気に働く姿が被災地の励みになればうれしい」と話している。
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障害者就労支援施設の再建予定地に立つ松原さん。4月の開所を目指している
河北新報-2013年01月23日水曜日
施設は鷲神浜地区の住宅地に再建される。障害者がかりんとうを製造する木造平屋の工場と、住民も立ち寄れるプレハブの休憩所を設ける。
元の施設は2010年12月、食品加工会社「夢食研」の社長も務める阿部さんが、伯耆町で障害者就労支援施設を運営する松原千晶さん(51)の支援を受けて開設した。夢食研が製造した生地を仕入れ、障害者11人がかりんとうを作っていた。
震災で建物は流失し避難後に自宅へ戻るなどした2人が亡くなった。夢食研の工場も流されたが、全国の障害者作業所にかりんとうの生地を供給していた阿部さんは工場移転を決断。11年4月に伯耆町で生産を再開し、現地で障害者就労支援施設も開所した。
女川での施設再建も諦めなかった。多忙な阿部さんに代わって松原さんが毎月訪問。被災地では適当な用地がなかなか見つからなかったが、松原さんは「伯耆町で元気に働く障害者を見て、女川でも何とか再開させたかった」と振り返る。
昨年5月、高台の住宅地にあった約1000平方メートルの空き地を紹介され、阿部さんが購入した。土台の整備が済み次第、建築工事に着手。2年ぶりに再開する際は以前働いていた人を中心に活動し、徐々に雇用の枠を広げたいという。
「震災から生かされた身だからこそ、立場の弱い障害者が働ける場をつくりたかった」と阿部さん。松原さんも「障害者がやりがいを持って元気に働く姿が被災地の励みになればうれしい」と話している。

障害者就労支援施設の再建予定地に立つ松原さん。4月の開所を目指している
河北新報-2013年01月23日水曜日