福祉作業所などの仕事の幅を広げて障害者の収入増につなげようと、県が昨年9月に開設した「共同受注窓口」が、軌道に乗り始めた。単独では受けにくい商品の大量注文にも、窓口が仕事を複数の施設に振り分けることで対応。民間企業の営業経験者をスタッフに置いて販路開拓なども図るといい、<ビジネスチャンス>の拡大に、関係者らの期待が高まっている。
身体障害者を中心に企業就職者が増えている反面、知的障害者と精神障害者の雇用は進まず、多くが就労継続支援事業所や授産施設で食品や小物の製造販売、労賃の低い清掃作業などで収入を得ている。県内の障害者1人当たりの平均収入(2010年度)は月1万3474円と、全国平均を394円上回るが、県内にある143施設の43%で1万円以下という。
県は2年後に1万8700円に増やす目標を掲げるが、施設の職員はコスト管理や販路開拓などは専門外で、人数や入所・通所者の体調に合わせた作業では、定期的な仕事や大量注文に応えにくいのが実情。共同受注窓口はそうした弱点をカバーする狙いで、発注側のニーズと施設側の特性を融合させた商品の開発なども提案している。
これまでに受注した仕事は7件。広島三越の特商会で、千羽鶴の再生紙で作った箱に3事業所製のクッキーを詰めた「ひろしまクッキーズ」を販売し、警備会社のキャラクター商品の製造販売と消火器点検作業も請け負った。広島空港の売店・ANAフェスタ広島店と福屋空港店には1月から、ひろしまクッキーズや布おもちゃなどの販売コーナーが置かれた。これまでに延べ15施設が仕事を受注した。
県障害者支援課は「協力をお願いするだけでなく、企業と施設双方のニーズを満たす障害者の活躍の場を増やしたい」としている。
(2013年2月18日 読売新聞)
身体障害者を中心に企業就職者が増えている反面、知的障害者と精神障害者の雇用は進まず、多くが就労継続支援事業所や授産施設で食品や小物の製造販売、労賃の低い清掃作業などで収入を得ている。県内の障害者1人当たりの平均収入(2010年度)は月1万3474円と、全国平均を394円上回るが、県内にある143施設の43%で1万円以下という。
県は2年後に1万8700円に増やす目標を掲げるが、施設の職員はコスト管理や販路開拓などは専門外で、人数や入所・通所者の体調に合わせた作業では、定期的な仕事や大量注文に応えにくいのが実情。共同受注窓口はそうした弱点をカバーする狙いで、発注側のニーズと施設側の特性を融合させた商品の開発なども提案している。
これまでに受注した仕事は7件。広島三越の特商会で、千羽鶴の再生紙で作った箱に3事業所製のクッキーを詰めた「ひろしまクッキーズ」を販売し、警備会社のキャラクター商品の製造販売と消火器点検作業も請け負った。広島空港の売店・ANAフェスタ広島店と福屋空港店には1月から、ひろしまクッキーズや布おもちゃなどの販売コーナーが置かれた。これまでに延べ15施設が仕事を受注した。
県障害者支援課は「協力をお願いするだけでなく、企業と施設双方のニーズを満たす障害者の活躍の場を増やしたい」としている。
(2013年2月18日 読売新聞)