Quantcast
Channel: ゴエモンのつぶやき
Viewing all 17470 articles
Browse latest View live

温泉水でトラフグ養殖 札幌・清田区の「福祉村」

$
0
0

 農業生産法人つしまファーム(対馬徳昭社長)は、関連法人の福祉施設が集まる札幌市清田区真栄の「アンデルセン福祉村」で、高級魚トラフグの養殖を始めた。高齢者や障害者の雇用創出が狙い。敷地内で湧く温泉水を使い、冬も適温で育てられるため、道内では珍しいフグ養殖が可能になった。

 道内は海水温が低く、海上でのフグ養殖は困難。このため、バイオガス発電の廃熱で温めた人工海水を使っている十勝管内士幌町の第三セクターなど、一部でしか行われていなかった。

 同ファームは、福祉村で通所リハビリ施設や障害者の就労支援事業所などを運営する「つしま医療福祉グループ」が2013年に設立。夏場に野菜の生産、販売をしてきたが、通年雇用の場をつくるため、フグ養殖への参入を決めた。約170平方メートルの屋内養殖場に10トンの水槽4基を設置。今月中旬、栃木県の業者から仕入れた体長6~7センチの稚魚2千匹の飼育を始めた。

 福祉村には施設の浴場に使う温泉の泉源があり、これを養殖用の人工海水づくりにも活用。水温を年中約20度に保てるため、フグが活発に動いて餌をよく食べ、成長が早まる。道外でも冬には水温が下がる海上養殖より5カ月早く、約1年で出荷可能な体長30センチ(800グラム~1キロ)に育つという。

 同ファームの泉忠彦場長(71)や福祉村の就労支援事業所に通う障害者ら数人がフグの飼育に当たる。フグは道内の飲食店に出荷し、年間600万円の売上高を見込むほか、福祉村の施設の食事にも使う。同ファームの簗田系二(やなだけいじ)事務局長は「今後は事業拡大を目指し、高齢者、障害者を多く雇用して地域に貢献したい」と話している。

12/26    北海道新聞


未来はこんなクルマに乗ってみたい…「カーデザイン甲子園」結果発表

$
0
0

新潟国際自動車大学校(GIA)は12月25日、高校生を対象にしたデザインコンテスト『カーデザイン甲子園』の審査結果を発表した。このコンテストは「未来に乗ってみたい、夢のクルマ」をテーマに毎年開催しているもので、2015年が第3回目となる。

このコンテストは、従来の「クルマらしさ」よりも、テーマに掲げている「夢」を重視した、飛躍したアイデアを評価しているのが特徴。今回は日本全国の高校生から合計143点の応募があり、作品を教室いっぱいに並べて審査がおこなわれた。

最優秀賞に選ばれたのは、村井柚乃さん(福井工業大学付属福井高等学校 1年)の『ロマンティス』。ボディ左右にリングがあり、ここにタイヤが装着されているのが特徴。このリングが変形や回転をすることで、自由自在な走りを楽しめるというものだ。

審査員からは、従来のメカニズムに囚われることなくアイデアを展開させ「走らせる楽しさ」を強く予感させる点が高く評価された。また「しなやかさや優しさが感じられる」というコメントもあった。

優秀賞は2作品。本間彩さん、飯塚永遠さん(ともに栃木県立足利工業高等学校3年)が獲得した。本間さんの作品は、自立して社会で活躍する女性に向けた、気分に応じて走行フォームを変化させるパーソナルカー。服飾と同じように親しみ、愛着を持って接する感覚を訴求している。

飯塚さんの作品は、高齢者の使いやすさをエクステリアでも追求。手すりを設置するというアイデアを導き出し、それがスタイリングの特徴にもなっている点が高く評価された。両作品とも独創的なアイデアで、しかもその一部には現実のカーデザインにも応用できそうな可能性を感じる。

審査員は、三菱自動車デザイン本部デザイン戦略・企画部・東京デザインスタジオの福徹マネージャー 、日野自動車デザイン部の松山耕輔部長、エイ・ティデザインの八木 將雄代表、EPOXY DESIGNの後藤明寛代表、そして筆者の5名。

今回は以前と比べ、高齢者や身体障害者など、周囲の人への気配りや優しさを感じるアイデアが増えた印象。「それが『自分が乗ってみたいクルマ』なのか?」という声はあるだろうが、子供たちのこうした気持ちへの回答を探るのも、自動車産業に科せられた課題なのではないだろうか。

なお最優秀賞と優秀賞の作品はプロのデザイナーによってブラッシュアップされ、ファイナルレンダリングを作成。2016年におこなわれる授賞式で、副賞として受賞者に贈呈されることになっている。

2015年12月25日     レスポンス

安永さん事件、遺族側が上告

$
0
0

 佐賀市で2007年、警察官に取り押さえられた直後に死亡した知的障害者の安永健太さん=当時(25)=の遺族が佐賀県に損害賠償を求めた訴訟で、遺族側は25日、違法性を認めず控訴を棄却した福岡高裁判決を不服として最高裁に上告した。

 21日の判決では、知的障害が推認される相手に対して警察官は障害の特性を踏まえて適切に対応する注意義務があることを認めたものの、安永さんの場合は取り押さえが10分程度で制圧が優先だったなどとして「保護行為として相当」と結論付け、請求を退けた一審の佐賀地裁判決を支持した。

 安永さんの父孝行さん(54)は「裁判官は警察官に注意を求めているのに、取り押さえは問題なかったと判断しており、話がすり替わっている。おかしい」と話した。

2015年12月25日    佐賀新聞

大病克服夫婦で真心カフェ

$
0
0

 ともに大病を克服した下関市菊川町下大野の先本琢男さん(75)と妻みす江さん(67)夫婦が、「前向きに生きたい」との思いで自宅を改装したカフェレストランが今月、開店から丸3年を迎えた。夫婦の温かい人柄と、自家栽培の野菜を使ったメニューが評判だ。「『おいしかった』という客の言葉を励みに、細く長く続けたい」と口をそろえる。

 店名は「森の中のテラスオープンカフェ菜の葉」。イノシシも顔を見せる自然豊かな環境にある。大根、ゴボウなど旬の野菜や魚を生かした日替わりランチ(デザート・飲み物付きで800円)や、ピザセット(500円)などを提供。みす江さんは調理、琢男さんは野菜栽培や接客などを担当する。

 開店は、障害者施設で指導員としてパンなどを焼いていたみす江さんが、趣味の料理を生かそうと温めてきた計画だった。ところが、2011年に乳がんが発覚。琢男さんも心筋梗塞を患い、2度の手術を経験した。2人は夢の成就を希望に、闘病を続けた。

 12年春に体調が戻り、自宅の改修を開始。半年間かけて、台所の拡張や子供部屋の改造などを終え、同年12月の開店にこぎ着けた。

 開店直後から、女性客を中心に口コミやインターネットで評判が広がり、市外からも客が訪れる。常連客で近くに住む手嶋真二さん(73)は「もてなしの心を感じる」と魅力を話す。

 夫婦はレストラン営業だけでなく、住民が集うサロンやパン教室も主宰し、多忙な日々を送る。「楽しむのが長続きの秘けつ」と琢男さん。みす江さんも「新たな仲間もできた。地域のにぎわい作りにも役立ちたい」と笑顔を見せる。

 営業は木~日曜の午前11時~午後3時。座席は座敷を含め20席で予約制。年内は27日まで、年始は1月7日から。問い合わせは同店(083・287・2431)へ。

笑顔を見せるみす江さん(右)と琢男さん(右から2人目)の夫婦

笑顔を見せるみす江さん(右)と琢男さん(右から2人目)の夫婦

2015年12月26日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

性同一性障害のフィットネス会員提訴 「人格を全否定」

$
0
0

 心身ともに女性として生活する京都市の40代経営者が、フィットネスクラブから戸籍上の性別である男性としての利用を求められ人格権を侵害されたとして、運営元のコナミスポーツクラブ(本社・東京)に472万円の賠償を求めて25日、京都地裁に提訴した。

 提訴後に会見した経営者は未成年の子や妻がいて、性同一性障害特例法の規定により戸籍の性別変更ができない事情を説明。「人格を全否定された気持ち。私たちのような人に幸せになる権利はないのか」と訴えた。コナミは「訴状の内容を確認し次第、適切に対処したい」とコメントした。

 訴えによると、経営者は2009年に京都府内のクラブに男性として入会。12年に性同一性障害と診断され、昨年3月に女性への性別適合手術を受けた。クラブ側に女性用の更衣室やトイレの利用を求めたが断られ、戸籍上の性別での利用に同意を求められた。

2015年12月25日    朝日新聞デジタル

借り上げ復興住宅 明け渡し求め最終通知 神戸市

$
0
0

 阪神・淡路大震災の被災者向けに神戸市が民間所有者らから借り上げた復興住宅で、来年1月30日に初めて20年の返還期限を迎える住宅の入居者に対し、同市は25日にも、公営住宅法に基づき明け渡しを求める最終の「通知書」を内容証明郵便で送る方針を決めた。

 同市が都市再生機構(UR)から借り、市内の借り上げ復興住宅で最も早く期限が来る「キャナルタウンウェスト1~3号棟」(同市兵庫区)の3世帯。

 同市は、85歳以上▽要介護3以上▽重度障害者-の継続入居要件に当てはまらない世帯には、他の市営住宅をあっせんする制度を設け、転居を促している。「キャナル-」では昨年3月に受け付けを始め、応募していなかった8世帯に今年6月4日付で明け渡しを求める通知を送った。

 その後、5世帯が同制度に申し込んだが、3世帯は継続入居を希望。同市は、返還期限まで1カ月近くに迫ったため、あらためて明け渡し請求を通知することにした。

 兵庫県内の借り上げ復興住宅で最初に返還期限を迎えた西宮市の「シティハイツ西宮北口」では、9月30日の期限後も7世帯が継続入居を求めている。

時計2015/12/25     神戸新聞NEXT

佐賀駅トイレがUDにリニューアル

$
0
0
老若男女に使いやすく

 佐賀市のJR佐賀駅構内のトイレが障害者や高齢者、小さな子ども連れの家族らだれもが使いやすいユニバーサルデザイン(UD)のトイレにリニューアルされた。25日、現地で完成披露会があり、山口祥義知事らが新たに取り入れたアイデアや新機能について説明を受けた。

 駅構内のトイレは、以前から段差などがないバリアフリー設計だったが、佐賀の玄関口の駅トイレをUDのシンボル的な存在にしようと改装した。

 新たなトイレは県視覚障害者団体連合会や佐賀大大学院医学系研究科の松尾清美准教授らのアイデアを取り入れた。県や市が費用の一部補助、JR九州が費用負担や保守管理を担い、鹿島市や多久市に工場があるメーカー「LIXIL」が最新の機器を提供した。

 県が掲げる「子育てし大県佐賀」の考えに基づき、男子・女子用トイレとも赤ちゃんを座らせるベビーキープやおむつ替え用ベッドを設置した。女子トイレに男子の子ども用の小便器を設置するなど従来なかった設備を加え、子ども連れの利用者の利便性を高めた。障害者や高齢者が利用する多目的トイレには、介助シートや人工肛門の保有者向けの設備を充実させた。

 披露会には約20人が参加した。山口知事は「画期的な機能により、UDが県内でさらに普及するきっかけになれば」と期待を込めた。

多目的トイレで担当者から説明を受ける山口祥義知事(右から3人目)

2015年12月26日      佐賀新聞

熊本の施設、前代表が障害者に性的虐待 市が処分

$
0
0

 熊本市は25日、施設入所者への性的虐待があったとして、一般社団法人恵灯会が運営するグループホーム「グレイス新南部」(熊本市東区)を来年1月1日から1年間、新規利用者の受け入れ停止処分にし、発表した。

 市障がい保健福祉課によると、同法人の60代の男性前代表理事が施設管理者をしていた5~7月の間、知的障害のある入所者の女性と性行為を少なくとも1回行ったという。8月下旬、女性が市に相談して発覚。女性は「いやだと言ったが、断れなかった」と話しているほか、その後の調査で前代表が認めたことなどから、虐待と認定した。

 前代表は責任を取り、8月末で辞職。市に対し、「魔が差した。大変申し訳ないことをした」などと話しているという。

 施設はマンションの4、5階にあり、身体、精神、知的障害者14人が入所している。

2015年12月26日    朝日新聞デジタル


第3回高校生ビジネスプラン・グランプリ 酒田光陵高ベスト100に入選

$
0
0

 日本政策金融公庫が全国の高校生を対象に募集した「第3回高校生ビジネスプラン・グランプリ」で、県立酒田光陵高校商業科2年生有志7人によるプラン「酒田光陵高校の力で“共生のまち”酒田をつくる!」がベスト100に入選。表彰式が25日、同校で行われ、同公庫酒田支店の武士俣友生支店長が賞状を手渡し、「コンセプトが素晴らしい」とたたえた。

 活力ある日本づくりにつなげるため、高校生の起業教育推進を目的に同公庫が一昨年から実施しているコンテスト。3回目の今年は、全国各地の264校から、昨年より約600件多い2333件がエントリー。審査の結果、同校商業科有志によるプランは、最終選考に進出する10プランを含めたベスト100に選ばれた。本県からは今回、唯一のベスト100入りで、同支店管内(庄内地域)では2年連続の受賞。

 今回構築したプラン「―“共生のまち”酒田をつくる!」は、授産施設で製造される、菓子を中心とした商品に生徒たちが付加価値を付けるなど販売をサポートし、障害者の賃金アップを図るというもの。具体的には、工業科の生徒から市公認キャラクター「あののん」「もしぇのん」の焼き型を製作してもらい、施設で製造したクッキー、マドレーヌ、シフォンケーキといった菓子に押す。「ご当地」「地域限定」というプレミアム感を前面に出して販売することで、3年後に売上高1億4600万円、純利益1960万円を目指す。

 今年4月から放課後などを利用して練ってきたほか、締め切り前の同10月上旬には同支店の大友憲政融資課長らが同校を訪問して助言。それを受け、手直しをするなどして構築した。この間、同校工業科2年の青塚達也君(17)がCAD(コンピューター利用設計システム)を用い、約1カ月かけて真ちゅう製焼き型を製作。商業科有志代表を務める齋藤望美さん(17)は「計画を立てるのは簡単だったが、このプランが実現した場合の収支を出すところに苦労した。考えれば、考えるほど収拾がつかなくなった」と笑う。

 この日は、武士俣支店長、大友課長が同校を訪問。同校の阿部進校長、庄司豊教頭らが見守る中、武士俣支店長が齋藤さんに賞状を手渡し、「地域貢献、障害者の賃金アップというコンセプトがよくできている。科を横断してやるというのも評価の一つ。これを機にさらに勉学に励んで」と激励。齋藤さんは「誰かのためになるということにうれしさを感じる。実際に活動を展開し、地域活性化にひと役買いたい」と述べた。

 同校によると、今回のプランには今後、同校情報科も「パッケージデザイン」製作で参加する。キャラクター使用に関して市の承諾を受けた段階で、実際に商品展開する予定という。

武士俣支店長(手前)から賞状を受ける齋藤さん。左が焼き型を製造した青塚君 
武士俣支店長(手前)から賞状を受ける齋藤さん。左が焼き型を製造した青塚君

焼き型を押したシフォンケーキ。右ははんだごての先に付いた真ちゅう製焼き型 
焼き型を押したシフォンケーキ。右ははんだごての先に付いた真ちゅう製焼き型

荘内日報ニュース    12月27日(日)

シンポ「認知症と共に地域で暮らす」まず「負のイメージ」変える

$
0
0
本人の強みを見いだす…ベルギーで在宅支援

 認知症になっても住み慣れた場所で暮らせる支援を考える講演会・シンポジウム「認知症と共に地域で暮らす」(認知症専門フォトン・ジャパンフレンド主催、読売新聞など後援)が7日、東京都内のよみうり大手町ホールで開かれた。ベルギーで在宅支援に取り組むNPO代表による講演の後、専門家ら3人が討論。家族が認知症本人と接する際の助言から、成熟した社会のあり方まで、テーマは広範に及んだ。

■講 演

 ベルギー西部、ブルージュ市から来日したNPO「フォトン」代表のバルト・デルトゥールさんは、認知症の人を地域ぐるみで支える活動について講演した。フォトンは、自治体の補助金や民間の寄付金で運営されており、人口約12万人の同市が進める「認知症に優しい街」運動の推進役でもある。この運動は、2012年、欧州内の優れた活動として表彰されている。

 「フォトン(foton)」は光の粒子を意味する。私たちは認知症の人やその家族に希望を与える光でありたい、と願って名付けた。

 認知症の人の家に専門カウンセラーを派遣し、在宅生活を支援するほか、見守りなどを担う市民ボランティアの育成にも組織的に取り組んでいる。有償と無償のボランティアがあり、有償の人たちの給料は補助金から支払われる。

 活動拠点「フォトンハウス」は誰でも気軽に立ち寄れ、図書室には認知症の本やDVDがそろっている。認知症に関する作品を書いた作家の講演、介護者らが体験を語り合う催しも定期的に開かれている。

 ハウス内には「やすらぎの一杯」と名づけたカフェもある。当初は認知症の人ばかりが集まっていたが、今では精神障害者やホームレス、地域の人なども自由に訪れるようになった。

 会話ができない認知症の人も歌は歌える。そこで、合唱団を結成し、家族と一緒に歌える場を用意した。

 支援をするうえで大切なことは、認知症に対するマイナスのイメージを変え、ポジティブ(肯定的)な見方をすることだ。認知症の人を弱い人間として見るのでなく、彼らの強みを見いだすことが重要なのだ。

(2015年12月27日 読売新聞)

街のバリアーなくしたい 高知大学の学生団体「コンパス」

$
0
0

授業を機に誕生 移動、言語でサポート 

 2015年春に発足した「地域協働学部」だけでなく、高知大学では地域に根差した研究や授業が多彩に行われている。その中で、学部横断の「地域協働企画立案」「地域協働実習」といった授業をきっかけにした学生団体もこの夏生まれた。障害者や高齢者、幼い子や妊婦の目線でまちを見回すと、移動や買い物を阻む段差や不親切な設備は無数にあり、海外や県外からの観光客がまち歩きを楽しむには表示や言語に壁がある。そうしたもろもろの「障壁=バリアー」の視点からまちづくりを考えようと立ち上がった「コンパス」だ。生まれたばかりのプロジェクトを紹介する。 

 「どうやって上げるの? 踏み方が下手くそ?」 

 12月半ば、高知市の朝倉キャンパス。校舎入り口で車いすを押す学生が立ち往生していた。ほんの数センチの段差を越えられない。 

 傍らで見守るボランティアが「全体重をぐっと掛ける」とアドバイス。思い切って力を入れた途端、車いすが反り返るように持ち上がる。乗る側と押す側を交代しながら体験し、傾く車いすに「わー! 怖すぎる。泣きそう」と悲鳴を上げる場面もあった。 

 〈見たことがありますか? 車いすからキャンパスを〉をテーマに、コンパスが開いた体験イベントの一こまだ。副代表の鈴木舞香さん(20)=人文学部2年=は、体験者を学内のあちこちに案内しながら「意外と段差は多いでしょう? 自転車が乱雑に置かれていると、車いすは通れない。車いすの目線で見ると、自販機のボタンや料金の投入口はとても高い所にあるものが多い」と解説した。 

 車いすでは、図書館で本を借りるにも四苦八苦。学生らは体験後のワークショップで、気付いたことや思いを付箋に次々と記しながら報告し合った。 

 体験前には「安全に押せるか心配」だったのが、体験してみると「道がガタガタ、段差も多い」「車いすにとっての(越えられる)段差って低い」「歩ける人のためのバリアフリーだな」。また「校舎内の通路が狭い」「エレベーター内での方向転換に手間取った」など、具体的な項目が多数上がった。 

 さらに、それらの解消に向けては「ハード面は仕方ない所も多いので、ソフト面でカバーできたらいい」「多くの人に体験してもらって、出会った時にサポートできるようにする」と続いた。 

 学内にも存在するバリアーに気付いてほしいと、企画されたイベント。参加した学生は「共感する力。その人の視線になって考えることをもっとしたい」と感想を話した。 

 ワークショップの内容は今、学生会館ロビーに展示している。コンパス代表の岩瀬誠司さん(20)=人文学部2年=は、参加者以外に向けても「学内で車いすのイベントを見掛けるだけで、学生の意識が変わると思う」と期待を込める。 

 コンパス発足の“息吹”は、岩瀬さんと鈴木さんが1年の後期で受講した「地域協働企画立案」という授業の中から生まれた。 

 指導教官は今城逸雄・特任講師。受講者は時期に応じて、中山間地域でキャンドルナイトの運営を手伝ったり、イベントで着ぐるみを使った啓発の寸劇を自作自演したり。地域活動の前後には、キャンパスで事前学習と振り返りを行う。 

 岩瀬さんは高岡郡佐川町のまち歩きが印象に残ったといい「町の魅力を探れと突然、田んぼの横の国道沿いで車から降ろされて、アポなし訪問のような形で歩き回りました」。 

 鈴木さんは棚田の稲刈りをしながら「農家の人とじっくり話せた。地元が好きという思いにも触れて、地域を知りたい、知ろうという気持ちになりました」と話す。 

 2年になった2015年度の前期、2人は1年時の学びを深めるという触れ込みの「地域協働実習」を受講した。出されたお題はシンプルに、「4~9月にまちへ15回出掛けて、その都度リポートを書く」というもの。 

 今城特任講師は一連のカリキュラムについて「人との関係をつくって、何か企画して実現しようという趣旨です」と説明する。 

 まちへと繰り出し、商店街が企画した母の日のイベントなどに参画しながら、2人はコンパスの発足へと具体的に連なる取り組みに出会う。高知市の中心街でタウンモビリティなどの活動を展開するNPO法人「福祉住環境ネットワークこうち(ふくねこ)」だ。 

 視覚や聴覚、肢体に障害がある人の外出や買い物を支援したり、脳卒中や脳性まひの人たちの集いの場となったり、さまざまな人の日常を支えている。 

 そこでのボランティアを体験した2人。岩瀬さんはもともと、何か団体を立ち上げたいと思っていたところへ「バリアーの視点からまちづくりを考える」というテーマを見つけた。「これなら継続的に活動できる」「大学の外の団体と学生をつなぐ役割ができれば」と決意した。 


 コンパスとして最初に手掛けたのは、8月のよさこい祭りで配布するバリアフリーのマップ作りだ。 

 ふくねこメンバーにも協力してもらい、車いすの人と学生がペアになって、まずは高知市中心部のアーケード街で飲食店や土産物店を中心に調査。車いすでも入れるか▽授乳や休憩のスペースがあるか▽筆談でのやりとりに応じられるか―などを聞いて回った。 

 その結果から、これらに対応できる16店舗の場所を略図に落とし込み、営業内容とともに掲載。高知市の協力で300部印刷してひろめ市場などに置いてもらうとともに、祭り当日には自分たちでも配布した。 

 マップは広げるとA3判。ここでも「車いすの人がひざに広げてちょうどのサイズ」を意識したという。 

 10月になると、大型客船で訪れた外国人観光客のため、英語で案内のボランティアも行った。「言葉が通じない、道が分からないということもバリアー」と捉えての活動だ。 

 さらに11月終盤、高知大生が朝倉キャンパスから徒歩で室戸岬を目指す恒例行事「室戸貫歩」。車いすで挑戦した団体職員の池田孝広さん(44)の傍らにも、コンパスメンバーの姿があった。夜通しの行程を終えてゴールし、「やったらやれる」と語る池田さんの姿は報道もされ、多くの人に感動を与えた。 


 地域活動に興味を持っていたという友人も参加し、コンパスのメンバーは現在4人。タウンモビリティのボランティアを通じては、志を同じくする高知県立大学の学生らとも連絡を取り合っている。 

 コンパスという名詞は、方位磁針と、円を描く文具の、二つの意味を持つ。団体の名称にするに当たり、岩瀬さんと鈴木さんはこんな思いを込めた。 

 「一つは、街に来た人の道しるべになるコンパス。もう一つは人と人とのつながりの輪をつくるコンパス」 

 2人は「バリアーを解消することで、誰にも利用しやすいまちが実現できる。その視点から商店街の活性化を考えたい」と語る。 

 こうした活動に対し、ふくねこの笹岡和泉理事長は「若い人が積極的に動いてくれて頼もしい」と話す。 

 コンパスは「あなたのやりたいことが実現する団体」と銘打っている。何かにチャレンジしたい、誰かの役に立ちたい、活性化に興味がある―そんな仲間を募りつつ、一歩ずつ進んでいる。

2015年12月26日  高知新聞

空き校舎利用者求ム「地域活性化の拠点に」

$
0
0

 宮城県川崎町は、廃校になった小学校校舎の有効活用に取り組む。地域活性化や雇用確保を狙い、企業や個人など町内外から利用希望者を公募。住民らと協議して絞り込み、有償で貸し出す。早ければ来春からの活用を目指す。
 いずれも2012年3月に閉校した川内小、本砂金小、支倉小、前川小青根分校の教室や校庭、体育館、プールが対象。1986~95年に建設され、校舎は青根分校の木造1階を除き鉄筋コンクリート2階、体育館は本砂金小の鉄骨を除き鉄筋コンクリート。事業所のほか、芸術制作のアトリエやギャラリー、農産品販売や農家レストランなどの利用を想定する。提案の中から地域に合った活用策を決める。
 現在、川内小の教室3室が社会福祉法人臥牛三敬会(角田市)の障害者通所施設として使われているほかは、住民がスポーツ行事で体育館を利用する程度だという。町地域振興課の担当者は「積極的に活用して雇用の場や地域活性化の拠点にしたい」と話す。
 町は28日に募集要項を発表。1月11日に事前に申し込んだ人を対象に現地見学会を開く。募集は2月に始め、3月中に応募者や地元住民と調整、協議を進める。改修工事が不要の場合、4月から利用できる。連絡先は町地域振興課0224(84)2111。

2015年12月27日    河北新報

旭川荘いづみ寮、建て替え進む プライバシー確保、家庭的に

$
0
0
 社会福祉法人・旭川荘(岡山市北区祇園)の知的障害者入所施設「いづみ寮」で、老朽化に伴う居住棟「ポプラ南棟」の建て替え工事が進んでいる。プライバシーを確保しながら数人で家庭的に暮らせるというユニット化を採用。来年4月の利用開始を目指す。

 いづみ寮は1973年に開設され、25~80歳の74人が居住棟5棟で生活する。ポプラ南棟と隣接のポプラ棟は寮開設時の建築のため老朽化。ことし9月から耐震化した鉄骨平屋(約590平方メートル)の新築を進めており、来年4月以降、ポプラ棟の建て替えも予定している。

 計画では、障害の程度に応じ、18の個室(各約11平方メートル)を9部屋ずつのユニットに分け、各ユニットの中心にリビングを兼ねた食堂を配置。ユニット間にはエントランスホール(約50平方メートル)を設け、多目的に使えるようにする。

 廊下の幅は施設の設置基準より約60センチ広い2・4メートルとし、利用者の高齢化に伴う将来的な介護支援も視野にゆったりとした造りとする。転倒によるけがを防ぐため弾力性のある床も取り入れる。

 檜尾博寮長は「重い障害がある人がより安心して生活できるよう、細やかな運営を心掛けたい」と話している。   建て替え工事が進むいづみ寮

(2015年12月26日 山陽新聞 

パラリンピックは誰も見ない、でも…車いすの社長の思い

$
0
0

 2020年東京パラリンピックに向け、障害者スポーツのすそ野を広げるにはどうしたらいいか。広告・デザイン会社社長の沢辺芳明さん(42)に聞きました。

照英さん、車いすマラソンに胸熱 「同じ夢がある」 障害者スポーツ特集「チャレンジド」

■広告・デザイン会社社長 沢辺芳明さん(42)

 仕事柄、「どうやったら便利か」というユーザー・エクスペリエンスを考える。街には「イラッとポイント」がたくさんあって、そういう視点で見れば、「世の中もっと良くなる」と思うことが日本には多くあります。

 たとえば駅の自動改札。幅が狭くて車いすが通れず、代わりに駅員の前にゲートがあるけど、そこは扉を自力で開け閉めしないといけない。仕事で海外に行くと、日本の福祉行政やバリアフリーは「あればいいだろう」というものが多いと気づく。

 ログイン前の続き2020年に向けて、危惧しているのは人の気持ちです。日本人は障害者に対して「かわいそう」って思いが先に来てしまいがちですよね。僕も一歩外に出れば、社長ではなく立派な障害者。「仕事」と言えば「施設でですか?」と言われることがあります。

 11月に総合演出した日本財団パラリンピックサポートセンターの共同オフィスは、「アスリートはスポーツを楽しみ、競技団体の職員たちも自ら楽しもう!」という意味を込めて、「i enjoy!」というコンセプトでデザインした。

 あえて言わせてもらえば、パラリンピックは誰も見ない。今のままでは面白く見せられていないから。でも本当はすごく面白い。その魅力を伝えていかねばならない。

 「車いす体験をして障害者理解」は啓蒙(けいもう)期ならいい。でもこれからは違う。プロジェクションマッピングやCGをガンガン使って、「あの選手、超かっこいい!」ってファンクラブができるところまで、5年で持っていきたいですね。

 さわべ・よしあき 1973年、東京都生まれ。バイク事故で車いす生活に。24歳で広告・デザイン会社「ワン・トゥー・テン・デザイン」を設立し、社長をつとめる。日本財団パラリンピックサポートセンターの共同オフィスを総合演出した。

写真・図版

沢辺芳明さん

2015年12月26日   朝日新聞デジタル 

セリ機リニューアルに際し、社会貢献活動

$
0
0

身体障害者作業所に撤去機材を無償提供

 ベイオーク(大阪市住之江区・塩原淳平社長)は12月23日開催の2015年最終開催のオートオークション(AA)終了後から、セリ機の入替工事に入った。全850席のPOS席端末とコンピュータボックスを同日中にはすべて撤去し、翌24日からは特定非営利活動法人(NPO法人)ユーカリ友の会(西側真弥理事長)と協力して、国内リサイクルや身体障害者のための作業機会創出のため、撤去した機材や配線をすべて無償提供した。

 NPO法人ユーカリ友の会では、知的障害、精神障害を持った身体障害者の就労機会を創出する取り組みを実施、作業所である「さんらいず松原」を運営する。セリ機の液晶モニターのほか、基板や配線などをすべて国内リサイクルのフローに乗せる。協力企業も多く、手間のかかるプラスチック素材のリサイクルなどにも積極的に取り組み、すべてを国内リサイクルする取り組みが国内でのレアメタル確保や資源の有効活用という観点からも注目を集めている。

 同社では、ユーカリの会の活動を理解した上で、今回撤去したセリ機、コンピュータボックスを全数無償提供することとした。

 ユーカリの会では、回収した機材を事業所に持ち帰り、「分別することで、単価も上がる」(西側理事長)とするように、全てを分別し、金や銀、銅、パラジウムなどの貴金属と配線類などをリサイクル市場で再販し、作業する身体障害者の賃金を生み出すという。また、重度の知的障害、精神障害者を受け入れる中で、「さまざまなコミュニケーションを通じて、これまで心を閉ざしていた人が周囲に笑顔を見せたり、会話する姿も見られ、障害者の社会適応という意味でも成果が上がっている」(西側理事長)とする。

 ユーカリの会では、通信カラオケ「DAM」を手がける第一興商など、多くの大手企業とも契約、家電や電子機器の回収やリサイクルで、循環型社会に貢献するとともに、障害者の作業創出を通じた地域の社会福祉活動に貢献する。基板回収などで知名度も高まっており、一般紙の取材なども受け、協力企業も増加しているという。

 同社では、1月6日の初荷AAから富士通フロンテック製の新セリ機に刷新する。年末年始の休催期間を利用し、全850席のPOS席の全端末を入れ替える作業を実施中で、初荷AAからのスムーズな運用に万全な体制を敷く。会員利便のさらなる向上につなげるほか、今回のセリ機刷新の裏では、こうした社会貢献活動も行われ、同社の企業姿勢を象徴する取り組みとなった。

撤去機材は丁寧にトラックに積み込み、事業所に移送

身体障害者作業所に持ち帰り、丁寧に資源が仕分けされる(写真左がユーカリの会・西側真弥理事長)

 2015年12月26日   Goo-net自動車流通


発達障害 就労支援を強化 超党派で10年ぶり法改正へ

$
0
0

 自閉症やアスペルガー症候群などの人を支える「発達障害者支援法」が約十年ぶりに改正される見通しとなった。他人とコミュニケーションを取るのが苦手だったりする特性に配慮し、企業で長く働き続けられる環境整備や、教育現場でのきめ細かな対応を促す。超党派の国会議員が改正案の骨子をまとめた。来年一月召集の通常国会に提出する。成立する公算が大きい。

 支援法は議員立法で二〇〇五年に施行。障害の早期発見や学校教育、就労などで、国や地方自治体の基本的な責務を定めた。発達障害の名前は広く知られるようになったが、日常生活での困難さに対する理解は十分とは言えず、法改正で「社会の障壁」を取り除く必要があるとした。

 発達障害は見た目には分かりにくいため、周囲が気付かないことが多い。職場でいったん人間関係を築いても、上司が替わるなどした場合に適応できず、不当な配置転換や離職に追い込まれるケースがある。

 改正案では現行法の「就労機会の確保に努める」との項目に、国、都道府県による「就労定着の支援」を新たに規定。職場の上司や同僚との橋渡し役となるジョブコーチやハローワークの取り組みを強化し、事業主の適正な雇用管理を求める。

 小中学校では子どもの状態に合う目標や取り組みを定めた個別指導計画の作成が進んでいるが、高校などにも浸透させ、福祉機関との情報共有を後押しする。

 このほか他人に迎合しやすい人もいるため、刑事事件の取り調べや裁判で不利にならないように、専門家との連携や、社会復帰後の支援を念頭にした配慮を求める。

 国は一四年一月、障害者への差別を禁じ、社会参加を促進する「障害者権利条約」を批准。超党派の議員連盟が発達障害の当事者団体や関係者から意見を聞き、法改正に向けた議論を進めてきた。

◆改正案のポイント

一、発達障害者は障害および「社会的障壁」により、日常の生活に制限を受ける者とする。

一、国、都道府県は就労機会の確保に加え、定着を支援。事業主は特性に配慮した適正な雇用管理に努める。

一、教育現場で個別指導計画の作成を推進し、福祉機関と情報を共有。

一、刑事捜査や刑事訴訟で、専門家との連携や、社会復帰後の支援を念頭に配慮。

2015年12月27日  東京新聞

車いすレンタルOK=障害福祉サービス対象に-厚労省

$
0
0

 厚生労働省は、車いすなど障害者が使う「補装具」のレンタル費について、障害福祉サービス給付の対象とする方針を決めた。現在は購入にだけ支援しているが、レンタルも対象に加え、障害者の自己負担を軽減する。2016年の通常国会に提出する障害者総合支援法改正案に盛り込み、18年度から適用する。
 サービスの利用では、一定の所得がある障害者は1割の負担が生じる。現在93%の人が無料だが、障害児は親に所得があることから負担を求められるケースが多い。しかし、成長に合わせて車いすや義足などのサイズを変えなければならず、全て購入すると負担が重いため、レンタルへの給付を望む声が出ていた。

(2015/12/26-)  時事通信

自由同和会、障害者支援団体へ浄財贈る

$
0
0

 自由同和会県本部(会長・野口賢二)は21日、チャリティーゴルフ大会で募った浄財15万円を小城市の県精神保健福祉連合会(会長・山口義人)に寄付した。連合会の山口会長は「同和会の寄付は活動を続ける上で励ましになる」と感謝を述べた。

 同会による寄付活動は「財政的に厳しく障害者支援活動に困っている団体がある」と行政機関から紹介を受け、13年前から続けている。11月下旬、江北町の花祭ゴルフ場でプレーに参加した約70人から浄財を募った。

 野口会長は「連合会の総会を見学したことがあるが、障害者支援は大変な労力と経費が必要。微力ながら私たちの支援で活動に幅を持たせてほしい」と話した。寄付金は県精神保健福祉連合会が実施している毎週月曜の相談業務(午前10時~正午)の相談員研修に充てる予定。

チャリティーゴルフ大会で募った浄財の目録を県精神保健福祉連合会の山口義人会長(左)に手渡す自由同和会県本部の野口賢二会長

2015年12月27日   佐賀新聞

冬の手仕事 後世に えとのスゲ細工継承 新潟県妙高市NPO法人

$
0
0

 新潟県妙高市の特定非営利活動法人(NPO法人)平丸スゲ細工保存会が、冬場の農家の手仕事だったえとのスゲ細工作りの継承に取り組んでいる。地元の農家から手ほどきを受けながら猿のスゲ細工に没頭中。伝承者が元気なうちに、スゲ栽培と十二支全ての作り方を身に付けようと励んでいる。
 

 同法人代表の柴野美佐代さん(53)らメンバーは、同市平丸地区で長年スゲ細工に携わってきた石田福治さん(86)と制作に励む。材料はかつてかさや畳表に使われたカンスゲ。葉を乾燥させて細かく編んで体を作り、木槌で葉をたたいて繊維を毛羽立たせて作るのがこつだ。

 石田さんによると、どのえとも1人で1日に作れるのは1個程度。地区に200戸以上家があったころは、各戸が冬の手仕事として1日計200個ほど作り、地元の農協などを通じて温泉地や東京の民芸品店などで販売していた。冬は若者が出稼ぎに行き、高齢者は炉端仕事で孫の学費の足しにしたという。

 ところが現在の平丸地区は80戸。えと細工発祥の地、上平丸地区は当時の5分の1以下の15戸まで減った。作れる人も数人となり、JAえちご上越の民芸品部会も解散した。そんな中、同法人が活動を開始、石田さんは「前途が明るくなり元気が出た」と喜ぶ。

 障害者の自立支援に取り組む柴野さんは「スゲ細工は懐かしいし、引きこもりの子らにいいのではないか」と感じて石田さんの元に通い始めた。伝承には仲間が必要と、同法人を立ち上げた。

 今後の課題は法人運営費の確保だ。メンバーの大半は無償で活動に参加している。スゲ細工の猿は1個8000円で販売し、今冬作れるのは40~50個を見込む。

 それでも「来年のスゲ栽培の経費などを含めると、とても足りない」と柴野さんは悩みを語る。

(2015/12/27)    日本農業新聞

DV“駆け込み寺”運営の理事長が入所者資産流用か 数百万円が不明に

$
0
0

 ドメスティックバイオレンス(DV)被害者の一時保護施設(民間シェルター)などを運営する奈良市のNPO法人で、理事長が入所者の預金通帳を担保に現金500万円を借りたり、100万円超の預かり金を無断流用したりした疑いがあることが26日、法人関係者らへの取材で分かった。DV被害者を同法人に斡旋してきた奈良県もこうした情報を把握しており、事業実態の調査に乗り出した。

 NPO法人は「地域密着型相談センターとまり木」(奈良市高畑町)。3500万円超の負債が判明し、奈良地裁が11月に破産手続きの開始を決定した。これまでDV被害者へのシェルターの提供のほか、障害のある子供らの自立支援施設も運営。収支報告書によると、平成26年度は約320万円の公的助成も受けていた。

 法人関係者らによると、理事長は22年秋ごろ、支援者に「活動資金を貸してほしい」と依頼。当時とまり木に入所していたDV被害者の女性から預金通帳と印鑑を預かり、それを担保に差し出して支援者から計500万円を借り受けたという。持ち主の女性はその後施設を退所し、現在の連絡先は不明。理事長はいまだ500万円を返済しておらず、通帳と印鑑も支援者に渡したままになっている。

 また、25年に奈良県内の自治体を通じ、とまり木に生活支援を求めてきた知的障害者の子供と親についても、理事長が預金を管理したうえで住居を斡旋。家賃はこの預金から支払うことになっていたが、家賃未納で親子が退去させられていたことが今年8月に発覚した。自治体側が領収書を精査した結果、親子の預金から支出された金のうち百数十万円が使途不明となっており、理事長が流用した疑いがあるという。

 理事長は産経新聞の取材に「私的流用は一切なく、借りた金は必ず返済したいと思っている」と話している。

 DV被害者の女性や子供らを緊急に一時保護するシェルターには、DV防止法に基づき、都道府県の婦人相談所が設置する公的施設と、自治体が一時保護を委託できる民間団体の施設がある。民間シェルターは全国に100カ所余りあるとされるが、多くの施設は安全上の理由から所在地や連絡先を公表していない。公的施設の利用は無料、民間は1泊千〜2千円程度。滞在の目安は2週間ほどとなっている。

預り金の流用疑惑が浮上したNPO法人「地域密着型相談センターとまり木」

産経新聞     12月27日

Viewing all 17470 articles
Browse latest View live


<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>