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障害者の世界陸上 メダルへ二人三脚

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大阪の20歳 来月1500メートルに挑む

 大阪府八尾市在住で、知的障害を伴う自閉症の門田丈幸(たけゆき)さん(20)が、6月にチェコ・プラハで開かれる知的障害者の「陸上世界選手権」の1500メートル日本代表に選ばれた。昨年秋の国内大会で同種目優勝、先月の記録会では、4分20秒を切る自己ベストを記録した。伸び盛りのアスリートは、2016年のリオデジャネイロパラリンピックを見据え、コーチと二人三脚で1日20キロの走り込みを続けている。

 門田さんは両親と姉の4人暮らし。幼い頃は障害の影響で思うように言葉が出ず、泣きべそをかくこともあったが、母親の恵子さん(47)は「友だちや先生など、出会いに恵まれ、優しく育ってくれた」と話す。

 陸上競技は中学時代から。「一番になりたくて、走るのが好き」だったが、記録は思うように伸びなかった。「卒業しても走りたい」と思っていた高3の夏、知人の紹介で丹波徹二さん(32)と出会った。

 丹波さんは当時、全国障害者スポーツ大会の府選手団コーチで、近所に住んでいた。丹波さんは門田さんの陸上への熱意を知り、二人三脚が始まった。

 卒業後、門田さんは回転ずしチェーン店に勤務。丹波さんは、鍼灸(しんきゅう)師として働く。週2回程度時間を合わせ、八尾市の久宝寺緑地周回コースや生駒山地の登山道などで練習を重ねた。

 「どうすれば速く走れるか」。丹波さんが、腕の振り方などを身ぶり手ぶりを交えて丁寧に説明を続けると結果は出た。昨年10月、岐阜県で開かれた全国障害者スポーツ大会では、1500メートルで優勝、800メートルでも2位。翌11月に開かれた世界選手権選考会で代表3人に入った。今年4月に府内であった記録会では、1500メートルの自己ベスト4分17秒25を記録した。

 知的障害者の日本男子の記録は4分5秒52。まだ差はあるが、丹波さんは「若くて可能性がある。(4分)15秒、10秒を切ってもおかしくない力がある」と期待する。

 17日の練習では門田さんが自らデザインしたTシャツ姿で、フォームの確認を行った。間近に迫る選手権を前に門田さんは「走ることで、ピシッとした気分になれる。選手権は記録を出してメダルを狙いたい」と意気込み、プラハまで応援に行くという恵子さんも「丈幸の頑張る姿が、障害を持つ子たちや家族の励みになれば、うれしい」と話している。(安田弘司)

(2013年5月19日 読売新聞)

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