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障害者雇用 昨年度は最高

 2012年度に県内のハローワークを通じて就職した障害者は、前年度比18・1%増の998件で過去最高となったことが、富山労働局のまとめでわかった。就職率も69・4%で4年連続の上昇。企業・公共機関の障害者の法定雇用率が4月に引き上げられたことで、民間企業は雇用増加につながったが、県教委は法定雇用率を下回る可能性がある。

 障害種別の就職状況は、身体370件(前年度比5・7%増)、知的185件(同18・6%増)、精神398件(同29・6%増)などとなり、過去最高だった前年度を更新。中でも精神障害者は08年度99件、09年度136件、10年度218件、11年度307件と堅調に伸び続けている。

 就職件数の上昇は、雇用側の理解やサポートの改善の一方、今年4月の法定雇用率引き上げを前に、駆け込み雇用もあったとみられる。同労働局の担当者は「精神障害者に理解を示し、前向きに受け入れてくれる企業が増えた。今後は就職した障害者が職場に定着できるような支援が必要になる」と説明する。

 障害者の法定雇用率は今年4月から、民間企業で1・8%から2・0%、県、県警、地方公共団体などは2・1%から2・3%、県教委は2・0%から2・2%に変更した。

 従業員50人以上の企業・公共機関は、毎年6月1日時点の雇用状況をハローワークに報告しており、厚労省によると、昨年6月1日時点の障害者の雇用状況は、県が84人、県教委125人、県警6人で、いずれも不足数は生じていないという。

 ただ、法定雇用率達成の可否は職員数に法定雇用率を乗じ、1未満を切り捨てる計算方法で判断しているため、実際の雇用率と大きく異なるケースもある。

 職員数322人の県警の場合、法定雇用率2・1%で計算すると6・762人の雇用が必要となり、わずかに足りないが、小数点以下を切り捨てることで達成とみなされている。実雇用率は1・86%にとどまっている。

 一方、職員数6235人の県教委は、法定雇用率2・0%で計算した場合、雇用義務は124・7人で、実雇用率も2・0%でかろうじて達成している。しかし、変更後の2・2%で考えると、職員数が多いため137・17人に跳ね上がり、10人以上足りない。

 県教委幹部は「教員免許が必要となるなど、職務上、障害者の雇用が難しい面もある」と頭を抱える。

 同労働局は、障害者の就職を進めるには公的機関が率先して雇用を拡大していく必要があるとし、県教委に資格を必要としない学校事務などで障害者の活用を助言するなど、法定雇用率達成へ働きかけている。

(2013年5月19日 読売新聞)

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