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芸術が結ぶ友情、障害者と元ヘルパーが作品「2人展」/海老名

 芸術を通じ、友情で結ばれた障害者10+ 件と元ヘルパーの「2人展」が海老名市中央の市民ギャラリーで開かれている。「夢のよう。一緒にやれてうれしい」と声をそろえ、初めての開催を喜んでいる。入場無料、23日まで。

 油絵の高島〆子さん(73)=綾瀬市深谷上=と、押し花の桐ケ谷恵美子さん(65)=海老名市国分南=の出会いは十五、六年前。幼少期から肢体不自由だった高島さんを、当時ヘルパーだった桐ケ谷さんが訪問介護に訪ねたことで知り合った。

 互いに植物が好きということで気が合った。当時、高島さんは15年ほど絵画を学んでおり、桐ケ谷さんも押し花を始めたころで、芸術や日常生活のことなどを電話で語り合うようになった。

 昨年暮れに高島さんから桐ケ谷さんへ電話があり、「自分の絵画の集大成にしたい。一緒にやってほしい」と懇願された。出会いから時がたち、高島さんは呼吸器不全を患いながらも絵画を続け、綾瀬市展などで入賞。桐ケ谷さんも押し花のインストラクターの資格を得て海老名市内の3カ所で押し花教室を主宰していた。桐ケ谷さんは申し出を快諾した。

 会場には高島さんの油絵21点と桐ケ谷さんの押し花30点が並ぶ。

 油絵は「木の生命力から力をもらっている」(高島さん)というようにケヤキ、ナツメ、クスノキなどの大樹を描いたものが多く、50号の大作もある。また、宮ケ瀬橋や石小屋橋などの宮ケ瀬ダムに水没した風景もある。

 押し花は、ライラックやバラ、イタドリなどを使いながら渓谷の風景や人物などを描く。絵画とは違う立体感が印象的だ。季節に合わせてアジサイをあしらったものが目立つ。

 高島さんは2人展直前に病状が悪化して2週間ほど入院していたが、開催の前日に退院。「夢のよう。もうだめだと言われても、どうしても会場を見たいという気持ちが強かったので来られた」と感激の面持ち。桐ケ谷さんも「高島さんが喜んでいるのが何より。よかった」と笑顔を見せていた。

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初の2人展を開いた高島さん(左)と桐ケ谷さん=海老名市中央の海老名市民ギャラリー

カナロコ(神奈川新聞)-2013年6月20日

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