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産総研、高齢者・障害者の感覚特性データベース無償公開、製品への活用期待

  このデータベースは、産総研が、のべ3000人以上を対象として測定した視覚・聴覚・触覚の感覚特性を、年齢や障害の有無などの検索条件に応じて表示する。これらの特性データは日本工業規格(JIS)「高齢者・障害者配慮設計指針」に採用されているため、このデータベースは、数式や表で記述されたJISの規定内容をグラフィカルに表示する機能も合わせ持つという。

  従来、身の回りの製品・環境・サービスなどは、若い健常者を対象に設計・開発される傾向があったが、今後は、設計者がこのデータベースを参照することで、高齢者や障害者を含むさまざまな人々に対応した製品などの設計(アクセシブルデザイン)が容易となり、安心・快適な製品づくり・環境づくりが進むものと期待されるとしている。

  具体的には、このデータベースの利用者は、視覚・聴覚・触覚に分類された16のデータ項目から関心のある項目を自由に選べ、データ項目を指定し、調べたい対象者の年齢、性別、測定条件などを選択または数値入力すると、入力された条件に合致したデータが引き出され、所望の測定結果がグラフや詳細な数値で表示される仕組みとなっている。

  例えば、「可読文字サイズ」のデータベースの画面では、画面左側で年齢、視距離、輝度、文字種を指定すると、右側にその条件に応じた「最小可読文字サイズ(読み取れる最小の文字サイズ」、「読みやすい文字サイズ」などが表示される。設定条件は、スライダーで変更でき、さまざまな年齢や条件を連続的に変えて、読み取れる最小文字サイズを見ることができる。さらに、その推定結果は、数値(ptおよびmm)だけでなく、実寸大の文字で表示され、条件による読みやすさの違いを、データベースの使用者自身の目で見て直感的に理解することができるとしている。

  このデータベースは、8月19日より、下記のWebサイトで日本語版・英語版ともに一般公開され、公開されたデータは誰でもアクセス可能で、「利用条件」に基づいて無料で利用することができる。

  なお、本データベースの基の測定データはきわめて大規模で、すべてをウェブで公開することはできない。そこで、より詳細なデータに関心のある企業の製品設計者などの利用者のために、記載された問い合わせ窓口を通じて、データ公開の相談も受け付けるとしている。また、利用者からの意見や要望を受けるために、上記問い合わせ窓口だけでなく、アンケート入力のページも用意。アンケートなどで得られた利用者からの反応を参考に、未発表のデータの整備や新しい項目の追加など、一層の拡充を図っていくとしている。

知財情報局-技術】発信:2013/08/21(水)

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