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Channel: ゴエモンのつぶやき
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東京五輪招致:義足ランナー「障害者スポーツの魅力も」

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 昨年のロンドン・パラリンピック陸上短距離で、義足ランナーとして日本女子で唯一入賞した高桑早生(さき)さん=慶応大3年=は、東京が五輪招致を目指す2020年まで競技を続けると決めている。ロンドンでは、スタジアムを埋めた8万人の大観衆が障害者のレースを「スポーツとして見て、応援してくれている」と実感した。7年後、より強くなった自分の姿を東京で見せられれば「障害者スポーツの魅力をもっと知ってもらえる」と信じる。

 ロンドンでは100メートルで目標だった決勝進出を果たし7位。200メートルも初めて30秒を切り7位に入賞した。一方で世界のトップとの差も痛感し、レース後は達成感と悔しさが入り交じった涙を流した。「いい意味での挫折でした」

 小学6年の時に骨肉腫を発症し、中1の6月に左脚膝下を切断。高校で陸上を始め、わずか5年でパラリンピックに出場した。大学の競走部では健常者と一緒に練習する。男子短距離のエース、山県亮太選手(21)は同学年のチームメートだ。

 2年前の国内大会で出した100メートル13秒96の記録をなかなか更新できないが「必ず伸ばせる」と言い切る。先月フランスで行われた世界選手権では、出場した100メートル、200メートル、走り幅跳び全てでロンドンを上回る順位で入賞。16年リオデジャネイロ五輪までの日本記録樹立を目標に掲げる。

 ただ、世界のレベルアップも著しい。ロンドンの日本のメダル数は前回の北京より11個少ない16個。各国が強化に本腰を入れてきた証しだ。

 一方、日本では障害者スポーツが厚生労働省所管とされ、文部科学省のスポーツ施策の枠外に置かれている。日本陸上競技連盟が何度も交渉した末、高桑さんがナショナルトレーニングセンター(東京都北区)をようやく使えたのは、ロンドン五輪が始まり、主力選手が日本からいなくなった後だった。国は来年度から五輪とパラリンピックの選手強化を一本化する検討に入ったが「やっと、って感じです」と苦笑する。

 陸上競技の魅力は「人間が体一つを使って極限に挑むところ。障害者の走りは、特にそれを強く感じる」と語る。東京がロンドンのように、選手にとっても観客にとっても最高の舞台になるよう「国は今から普及や強化に力を入れてほしい」と願っている。


練習で汗を流す陸上短距離のロンドン・パラリンピック代表の高桑早生さん=川崎市中原区の等々力競技場で2013年8月24日

毎日新聞 2013年08月26日 21時41分(最終更新 08月26日 21時45分)

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