島根大総合理工学部を今春卒業した稲村駿さん(23)=松江市=が障害者の会話支援アプリ(応用ソフト)「STalk(エストーク)2」を開発し、日本リハビリテーション工学協会主催の福祉機器コンテスト・機器開発部門で最優秀賞を受賞した。自身も広汎性発達障害の診断を受けており、当事者の目線で生まれた使いやすさが評価された。
スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末向けアプリで、特別支援学校の教員など主に支援者の利用を想定する。発達障害や知的障害などで、言葉だけでは会話を理解しにくい人のために「いつ、どこ、だれ」など文章構造に沿って画面にイラストや写真を表示し、理解を助ける。
従来は家族や支援者がイラストカードを作っていたが、作成や持ち歩きの負担が重く、語数も限られていた。STalk2は内蔵イラストに加え写真を自由に追加できる。イラスト理解が苦手な人も使える▽語数を限定せず会話できる▽支援者の負担が減る―などの点が評価され20日、東京で受賞式があった。
稲村さんが昨年度、卒業研究で開発。試用した学校でも教員との意思疎通が改善し、子どもにも好影響がみられるという。25日に島根大であった受賞会見で、稲村さんは「これまで支援してくれた人への恩返しになればうれしい」と喜んだ。
現在は共同開発者の同大大学院の広冨哲也准教授(37)が、県立広島大(三原市)と協力し失語症患者への応用も進めている。
STalk2は米グーグル社の基本ソフト(OS)アンドロイド用アプリ。研究協力を前提に無料で使える。広冨准教授=電話0852(32)6480。
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【写真説明】イラストや写真で会話の理解を助ける「STalk2」
中国新聞-'13/9/26
スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末向けアプリで、特別支援学校の教員など主に支援者の利用を想定する。発達障害や知的障害などで、言葉だけでは会話を理解しにくい人のために「いつ、どこ、だれ」など文章構造に沿って画面にイラストや写真を表示し、理解を助ける。
従来は家族や支援者がイラストカードを作っていたが、作成や持ち歩きの負担が重く、語数も限られていた。STalk2は内蔵イラストに加え写真を自由に追加できる。イラスト理解が苦手な人も使える▽語数を限定せず会話できる▽支援者の負担が減る―などの点が評価され20日、東京で受賞式があった。
稲村さんが昨年度、卒業研究で開発。試用した学校でも教員との意思疎通が改善し、子どもにも好影響がみられるという。25日に島根大であった受賞会見で、稲村さんは「これまで支援してくれた人への恩返しになればうれしい」と喜んだ。
現在は共同開発者の同大大学院の広冨哲也准教授(37)が、県立広島大(三原市)と協力し失語症患者への応用も進めている。
STalk2は米グーグル社の基本ソフト(OS)アンドロイド用アプリ。研究協力を前提に無料で使える。広冨准教授=電話0852(32)6480。

【写真説明】イラストや写真で会話の理解を助ける「STalk2」
中国新聞-'13/9/26