Quantcast
Channel: ゴエモンのつぶやき
Viewing all articles
Browse latest Browse all 17470

障害者の旅 お手伝い…東京のNPO

$
0
0
 障害者や高齢者の旅のサポートに、東京都多摩市のNPO法人「ジャパン・トラベルボランティア・ネットワーク(JTVN)」が取り組んでいる。

 健常者と一緒に気兼ねなく楽しめる旅を企画しているほか、重度の障害を持つ人にも旅の喜びを味わってもらいたいと、専門の人材育成も進めている。

 都内在住で弱視の石田訓之さん(59)は9月、JTVN代表のおそどまさこさんらのサポートで、米・ミシシッピ川の源流部を旅した。手を引かれ、川の中をゴム草履で歩くこと1キロ。水源のイタスカ湖にたどり着いた。石田さんは「景色が見えない分、水に入って体感できたのが貴重だった。普通のツアーではこんな体験はできない」と振り返る。

 JTVNは年に1、2回、全盲の人や車椅子利用者でも参加できるツアーを、国内は京都や北海道、国外ではイタリアやケニアなどで企画している。健常者も、車椅子を押したり手を引いたりする「トラベルボランティア」として参加すると、旅行費用が割り引かれ、その分は介助を受ける人が負担する仕組みだ。

 最近では障害者ら向けのツアーを企画する旅行会社が増えたが、おそどさんが始めた1995年頃は、珍しかった。草分け的な存在として、これまで50本以上を企画。のべ1100人以上の参加者の半分は、車椅子利用者などだ。

 約3年前からは、重度の障害者や要介護の高齢者のため、排せつや入浴介助などを伴う宿泊旅行のサポートができる人材の育成にも力を注ぐ。介護福祉士や看護師といった有資格者や、添乗員の経験者らを対象に年に1、2回、「旅行介助ガイド」講座を実施。

 今月24日には実践編として、浅草寺(台東区)や浜離宮恩賜庭園(中央区)といった観光スポットや水上バスなどの人混みで、車椅子を利用する体験を行った。杉並区の介護福祉士青木千鶴子さん(60)は「福祉の場面では室内での介助がほとんど。初めてのことも多く、勉強になる」と話す。

 受講者は今後、JTVNと共に重度障害者も対象にツアーを企画して同行するほか、個別に宿泊旅行の介助の依頼を受ける予定だ。

 「旅は知らない文化に触れ、人に会うことで元気にしてくれる。人混みを避け、行動を制限されている人たちに、旅の喜びを伝えたい」と、おそどさん。問い合わせはJTVNに、電話(042・372・8501)か、電子メール(jtvn@womanstravel.net)で。

(2013年11月28日 読売新聞)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 17470

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>