別府市で先月末、車椅子利用者2人が亀の井バス(同市)のスロープ付き路線バスに一時乗車拒否された。運転手が「予約制」と勘違いしたためで、抗議を受けた同社は全運転手に研修などの再教育を実施。車椅子利用者も安全にバスを利用するための調査に協力するとしており、両者が手を携えて改善へ動きだした。
拒否されたのは、市障害者団体理事長の安冨秀和さん(37)と知人。安冨さんと同社によると、1月27日正午ごろ、車体に車椅子マークがあるスロープ付き路線バスに乗ろうとしたところ、男性運転手が「予約が必要」などとして乗車を拒否。安冨さんらが抗議したため、運転手が本社に確認して乗車できたという。
安冨さんらが28日、同社を訪れると、日野義博別府営業所長が「リフト付きバスを予約制で運行しており、スロープ付きも予約が必要と勘違いしていた」と謝罪。運転手は50代のベテランだが、スロープを使った経験がなかったという。
同社は全運転手に「予約不要」を徹底し、今月1日からスロープの出し入れや車椅子の乗り降り、車内への固定などの作業を実習する研修を開始。道路幅が狭かったり、急傾斜だったりする一部バス停ではスロープでの乗降が難しいため、同社は安冨さんらの協力を仰ぎ、安全に利用できるバス停を調べることも計画している。
安冨さんは「対応の早さに期待が持てる。予約なしで使えるのが路線バスの良さであり、タクシー頼りでは生活が厳しい障害者の足になるよう改善に協力する」と話している。
県内のスロープ付きバスを保有している主なバス会社は、亀の井バス12台のほか、大分バス(大分市)が81台、大分交通(同)が26台など。大分バスは「事前連絡があれば利用可能なバス停の案内など対応しやすいが、予約は不要」、大分交通は「予約をお願いしているが、車内の車椅子スペースに空きがあるなど、条件が整っていれば予約なしでも乗車は断らない」としている。
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研修で車椅子の乗降を体験する運転手
=2014/02/05付 西日本新聞朝刊=
拒否されたのは、市障害者団体理事長の安冨秀和さん(37)と知人。安冨さんと同社によると、1月27日正午ごろ、車体に車椅子マークがあるスロープ付き路線バスに乗ろうとしたところ、男性運転手が「予約が必要」などとして乗車を拒否。安冨さんらが抗議したため、運転手が本社に確認して乗車できたという。
安冨さんらが28日、同社を訪れると、日野義博別府営業所長が「リフト付きバスを予約制で運行しており、スロープ付きも予約が必要と勘違いしていた」と謝罪。運転手は50代のベテランだが、スロープを使った経験がなかったという。
同社は全運転手に「予約不要」を徹底し、今月1日からスロープの出し入れや車椅子の乗り降り、車内への固定などの作業を実習する研修を開始。道路幅が狭かったり、急傾斜だったりする一部バス停ではスロープでの乗降が難しいため、同社は安冨さんらの協力を仰ぎ、安全に利用できるバス停を調べることも計画している。
安冨さんは「対応の早さに期待が持てる。予約なしで使えるのが路線バスの良さであり、タクシー頼りでは生活が厳しい障害者の足になるよう改善に協力する」と話している。
県内のスロープ付きバスを保有している主なバス会社は、亀の井バス12台のほか、大分バス(大分市)が81台、大分交通(同)が26台など。大分バスは「事前連絡があれば利用可能なバス停の案内など対応しやすいが、予約は不要」、大分交通は「予約をお願いしているが、車内の車椅子スペースに空きがあるなど、条件が整っていれば予約なしでも乗車は断らない」としている。

研修で車椅子の乗降を体験する運転手
=2014/02/05付 西日本新聞朝刊=