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Channel: ゴエモンのつぶやき
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強度行動障害:入所者受け入れ先なく…袖ケ浦の虐待被害

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 千葉県袖ケ浦市の県立障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター」で、自分や他人を傷つけるような問題行動を示す「強度行動障害」などを抱え、職員から虐待を受けた入所者たちは新たな受け入れ先が見つからず、センターに残されたままだ。県が打診した複数の施設は「支援が難しい」と敬遠しているといい、福祉現場の支援環境の整備が課題となっている。

 県によると、センターでは昨年11月に強度行動障害の傾向がある入所者の少年(当時19歳)が、職員の暴行を受けた後に死亡したのをきっかけに、計23人の虐待被害が判明。そのほとんどがセンター内にある行動障害者向けの寮で生活していた。疑い例を含めて身体的、性的、心理的な虐待を加えた職員は18人で、うち11人は既に解雇されるなどして職場を去っている。残り7人のうち5人は、今も入所者の支援に関わっているという。

 県は県内の複数の民間施設に虐待被害を受けた入所者の受け入れを打診したが、「センターへの人材派遣で応援したい」などと断られた。再発防止策などを話し合う県の第三者検証委員会は2月14日、「入所者の安全を確保する必要がある」と緊急提言し、外部の福祉関係者派遣によるチェック強化や、センター幹部を強度行動障害者支援に詳しい人材に刷新することなどを県に求めた。

 ◇宿直時は職員1人で13人支援…袖ケ浦の施設

 職員による虐待が相次いだ袖ケ浦福祉センターはどのような施設なのか。1月30日に行われた県議会の視察に同行した。

 職員から暴行を受けた後に死亡した少年が暮らしていた「養育園第2寮」。居室は広さ8畳ほどで、窓には壊してけがをしないようにガラスより強度が高いアクリル板が使われていた。かみつきなどの他害行為がエスカレートした時に入所者の行動を制限するために使う部屋は、内側から鍵が開かない仕組みになっているという。

 案内した男性職員によると、職員の体に触れて「遊ぼう」という気持ちを伝えようとした際、相手が分かってくれないと、たたいたりかみついたりという行為をしてしまう入所者もいるという。普段は職員8人で入所者13人を支援するが、宿直時は1人。虐待を防ぐには、熟練した支援技術を持つ職員の育成と、その職員を支える体制づくりが急務だと感じた。

毎日新聞 2014年03月15日 15時02分

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