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Channel: ゴエモンのつぶやき
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精神障害者描いた映画を12月から上映、当事者団体の男性が企画/相模原

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 精神障害者の自立をコミカルに描いたイタリア映画「人生、ここにあり!」(2008年)の上映会が12月1日、相模原市中央区のあじさい会館で開かれる。企画した精神障害者の当事者団体の男性は、映画の中で使われる合言葉「シ・プオ・ファーレ!(やればできるさ)」に、自身の歩みを重ね合わせる。

 映画は実話に基づく。舞台は1980年代のイタリア・ミラノ。精神科病院が廃止され、地域社会に戻ってきた元患者が熱血労働組合員とともに事業を立ち上げ、奮闘する姿が描かれている。

 映画化の背景にあるのが78年に施行、公立の精神科病院の全廃につながったバザリア法。「自由こそ治療だ」という同法の精神に、市精神障害者仲間の会(あしたば会)の榛沢昌高さん(43)=相模原市中央区=はうなずく。

 「精神障害者を隔離したり、薬で抑え付けるのではなく、生活の質を上げることで精神状態を安定させ、社会に溶け込ませる。イタリアに学ぶ点は多い」

 榛沢さん自身、統合失調症に苦しみ、18歳から15年間自宅に引きこもった。通院をきっかけに外出できるようになったが、大量投薬の副作用で一日中起き上がることができないこともあった。「薬は見えない鎖だった」

 やがて病状が安定し、幸い主治医に薬を減らしてもらえた。地域の作業所での就労を経て、八王子市の作業所の非常勤職員として社会復帰を果たした。

 当事者活動にも取り組み、「人とつながり、認めてもらうことで自己肯定感が芽生え、心が落ち着いた。私には自由が薬だった」。

 この映画を一番見てほしいのはだから「引きこもり、孤立している当事者」だという。病気に加え周囲の無理解による心のすさみで、社会復帰を諦めさせられているような当事者を何人も知っている。

 「やればできるさ、はうそじゃない。障害はその人の一部にすぎず、すべてじゃない。持っている力を発揮できれば、社会で輝けると伝えたい」

 上映会は、あしたば会とボランティアグループひびきとの共催で、市内の4当事者団体も協力している。チケットは精神障害の当事者500円、一般千円。当日券もある。問い合わせは、市社会福祉協議会ボランティアセンター電話042(786)6181。

カナロコ(神奈川新聞)-2012年11月21日

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