視覚障害者を誘導するJR金沢駅の点字ブロックが、不自然に曲がり角が多く設置されており、九年以上もそのままになっていることが分かった。障害者からは「ブロックは単にあればいいというものではない。合理的に敷いてほしい」との声が上がる。
金沢駅東口の外から構内に延びる点字ブロックは、構内に入る前に右に曲がり、二メートルほど進んで左に曲がり、構内に入ってから再び左に曲がる。外からは真っすぐ歩けば構内に入れるため、ブロックに従うと不要に多く曲がらされることになる。
JR西日本金沢支社によると、ブロックが現在の形になったのは、東口の駅前整備事業で「もてなしドーム」が完成した二〇〇五年三月。それ以前から設置されていたブロックと新しいブロックの位置が食い違った。JRは曲がり角の不自然な多さを把握しながら、そのままにしていた。
その後、新幹線の開業工事に伴い、さらに多く曲がることになった。来年三月の開業に合わせた金沢駅の改修でブロックも直線に整備し直すという。
また、西口の近くでは、ブロックが臨時売店のすぐ近くを通る状態が、〇七年五月に西口のビルができた当時から続いている。以前は繁忙期と土日のみ営業していたが、今年二月からは時期や曜日に関係なく営業。平日でも多くの客がブロックをふさいで買い物する光景が見られる。JRは取材に、「安全を確保できるよう、店舗関係者に改善を図る指導をしていく」と回答した。
旅行者などの案内を手掛ける金沢視覚障害者外出支援サークルの代表で視覚障害者の松井繁さん(66)=金沢市=は「ブロックは、あればいいのではなく、スムーズに歩けるかどうかが大きい。直線にしてもらうのは大歓迎」と話し、「バリアフリー化を進めるには、設置側の配慮だけではなく、障害者団体の側も声を上げていくことが必要だ」と指摘した。
![]()
不自然に曲がった点字ブロック=JR金沢駅東口で
2014年5月5日 中日新聞
金沢駅東口の外から構内に延びる点字ブロックは、構内に入る前に右に曲がり、二メートルほど進んで左に曲がり、構内に入ってから再び左に曲がる。外からは真っすぐ歩けば構内に入れるため、ブロックに従うと不要に多く曲がらされることになる。
JR西日本金沢支社によると、ブロックが現在の形になったのは、東口の駅前整備事業で「もてなしドーム」が完成した二〇〇五年三月。それ以前から設置されていたブロックと新しいブロックの位置が食い違った。JRは曲がり角の不自然な多さを把握しながら、そのままにしていた。
その後、新幹線の開業工事に伴い、さらに多く曲がることになった。来年三月の開業に合わせた金沢駅の改修でブロックも直線に整備し直すという。
また、西口の近くでは、ブロックが臨時売店のすぐ近くを通る状態が、〇七年五月に西口のビルができた当時から続いている。以前は繁忙期と土日のみ営業していたが、今年二月からは時期や曜日に関係なく営業。平日でも多くの客がブロックをふさいで買い物する光景が見られる。JRは取材に、「安全を確保できるよう、店舗関係者に改善を図る指導をしていく」と回答した。
旅行者などの案内を手掛ける金沢視覚障害者外出支援サークルの代表で視覚障害者の松井繁さん(66)=金沢市=は「ブロックは、あればいいのではなく、スムーズに歩けるかどうかが大きい。直線にしてもらうのは大歓迎」と話し、「バリアフリー化を進めるには、設置側の配慮だけではなく、障害者団体の側も声を上げていくことが必要だ」と指摘した。

不自然に曲がった点字ブロック=JR金沢駅東口で
2014年5月5日 中日新聞