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Channel: ゴエモンのつぶやき
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佐世保市、知的障害者専用の職場づくり…県内自治体で初

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 佐世保市は、臨時職員として雇用した知的障害者の仕事場「させぼチャレンジルーム」を庁内に開設した。

 5月から男女2人が文書や資料の印刷などを担当している。市によると、知的障害者専用の職場づくりは県内の自治体で初めてで、作業を通じて民間事業所などに就職する能力を養ってもらうという。

 佐世保市は現在、身体障害者35人を雇用しているが、知的障害者については「どういう仕事に向いているのか模索中」として採用実績がなかった。山口県宇部市などの先行事例を参考に、知的障害者専用の作業スペースを確保。臨時職員として川崎麻衣さんと末竹隆宏さん(29)を採用した。

 チャレンジルームは市役所6階の職員課にあり、2人は広報や啓発に使うチラシの印刷や国体用メッセージカードの裁断、書類の封筒入れや宛名のシール貼りなどをこなしている。作業を終えると自ら発注部署に持ち運び、「助かります」などと感謝されることもあるという。

 川崎さんは「苦手な作業でも丁寧に仕上げることを心がけている」と話し、末竹さんは「だんだん慣れてきた」とやりがいを感じている。

 雇用期間はおおむね3年。市役所の業務を通じて職場でのスキルを磨き、最終的には民間事業所への就職を目指す。チャレンジルームの支援員を務める臨時職員の杉中勝重さん(70)が2人を見守り、作業の指導や就職活動をバックアップする。

 市職員課は「2人は業務の効率化に貢献してくれている。この取り組みを続けて知的障害者の就職を後押ししていきたい」と話している。

民間への橋渡し担う


 障害者雇用促進法は、企業や自治体などに一定の割合で障害者の雇用を義務付けている。民間事業所(従業員50人以上)の法定雇用率2%に対し、県内企業の平均は2・1%(昨年6月1日現在)で、全国平均の1・76%を上回る。都道府県で上から7番目の水準で、雇用者数2617人(前年比8・3%増)は過去最高だった。

 県や付属機関の雇用率は2・34%(前年比0・15ポイント増)、市や町などが2・36%(同0・11ポイント増)で、いずれも自治体の法定雇用率2・3%を上回っている。しかし、知的障害者を雇うケースはほとんどないという。

 知的障害者の雇用が遅れている背景について、長崎労働局は「身体障害者と比べて就労支援の歴史が浅い」と指摘する。佐世保市の取り組みについては「自治体が率先して雇い、民間事業所への橋渡しを担うことで雇用の拡大につながる」と評価している。(松本晋太郎)

(2014年6月14日 読売新聞)

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